石灯籠構造に起因 バス運転の男に猶予刑 男性死亡事故で津地裁判決

三重県伊勢市で4月、路線バスを運転中に歩道にあった石灯籠と接触して落下させ、近くにいた男性を死亡させたとして、自動車運転処罰法違反(過失運転致死)の罪に問われた伊勢市一之木五丁目、元三重交通バス運転手山中康久被告(46)の判決で、津地裁(濱口紗織裁判官)は19日、山中被告に禁錮1年6月、執行猶予3年(求刑・禁錮2年)の判決を言い渡した。

濱口裁判官は判決理由で、「バス運転手としてより一層注意して安全に運転する義務があり、通常以上に歩道に接近させた過失は小さくない」と指摘。一方で「時速10キロで周囲の構造物に接触した場合に人命にかかわる重大な事故につながることはまれ。石灯籠上部は約170キロと重く、簡易に柱と接着されていた安全でない構造に起因していることも否めない」などとして執行猶予を認めた。

判決によると、山中被告は4月14日午前9時55分ごろ、伊勢市楠部町の県道で路線バスを走行中、安全確認をせずにサイドミラーを石灯籠と接触させ、灯籠上部(約171キロ)を市内に住む西澤政信さん=当時(81)=の頭に落下させ、死亡させた。

石灯籠は地元経済人らで組織した団体が伊勢神宮への信仰心を示す目的で、昭和30年ごろに伊勢市内の国道や県道沿いに設置。団体解散後は約500基が放置されていたが、事故を受けて国や県、市が全基撤去の方針を示している。