「ゆるり」高知へ婿入り 伊勢シーパラのツメナシカワウソ ファン続々、別れ惜しむ 三重

【繁殖のため、高知県立のいち動物公園に譲渡される伊勢シーパラダイスのツメナシカワウソ「ゆるり」(シーパラダイス提供)】

【伊勢】愛くるしいしぐさで多くのファンを獲得してきた三重県伊勢市二見町江の水族館「伊勢シーパラダイス」のツメナシカワウソ「ゆるり(雄、3歳)」が、繁殖のため、高知県香南市のいち町の県立のいち動物公園に「婿入り」する。同水族館での公開は25日まで。今月初旬に婿入りを公表して以来、別れを惜しむファンの来館が後を絶たない。

ツメナシカワウソはアフリカ大陸に生息するイタチ科のほ乳類で、前足に爪がないのが特徴。国内に7頭しかおらず、うち4頭が同水族館で飼育されている。生息地の政情不安などで平成22年を最後に国内には野生の個体が入っていない。

のいち動物公園への譲渡は繁殖が目的。ゆるりは同園の「ララ(雌、推定10歳)」とペアリングする。野生の個体が手に入らない中、ツメナシカワウソの個体数を増やすため、両園館が合意した。

ゆるりは平成27年3月に生まれた。父親は、全国のカワウソの人気投票「カワウソゥ選挙」で昨年首位に輝いたブブゼラ(昨年死亡)。母親はシーパラダイスの「ズリ(推定11歳)」。今年の「カワウソゥ選挙」で優勝した同水族館の「きらり・ひらり」のきょうだいはゆるりの弟になる。

ツメナシカワウソは2、3年前からテレビ番組などの影響で認知度が高まり、人気も上昇したという。今では同水族館で1、2を争う人気者。開園から閉園までツメナシカワウソを眺めている来館者もいる。特に同水族館ではツメナシカワウソとの握手が人気だ。

ゆるりが生まれた時から飼育を担当している小野田忍事業課長は「個体数が少ないのでゆくゆくは繁殖のため、他の園館に行くのは覚悟していた。それでも気持的には割り切れず、さびしい」と話している。