三重県 職員給与引き上げへ 勧告受け入れ固める

三重県が職員の月給と賞与を引き上げるよう求めた人事委員会勧告を全面的に受け入れる方針を固めたことが13日、関係者への取材で分かった。21日から始まる県議会11月定例月会議に関係条例を提出する方針。月給の引き上げは3年ぶり、賞与は5年連続となる。引き上げによって年間7億円の負担増となる見通しで、財政状況が深刻さを増すのは確実な情勢だが、県は「人件費の抑制が進んでいる」として勧告の実施を決めた。一方、管理職を対象に実施している月給の削減は来年度も実施することも分かった。

県は勧告通り、警察官や教職員を含む約2万1500人の月給を平均0・09%、賞与を年間0・05カ月分引き上げる。月給の引き上げは4月分にさかのぼり、賞与は12月分から適用。平均年収は2万7千円増の648万3千円(平均44・6歳)となる。

県人事委員会は先月12日、鈴木英敬知事に引き上げを勧告した。鈴木知事は「勧告の趣旨を尊重するとともに、国や他府県の動向や県の厳しい財政状況といった諸般の情勢を総合的に勘案し、県民の理解が得られるよう適切に対処する」とコメントしていた。

関係者によると、県は退職手当の見直しや時間外勤務の削減などで人件費の抑制が進んでいる状況を踏まえて勧告の実施を決めた。他県も勧告を実施する方針を示していることや、政府が国家公務員の月給と賞与の引き上げを閣議決定したことも考慮したという。

一方、勧告は県が平成29年度から実施している管理職の月給削減について「給与勧告制度に基づかない減額措置で、地方公務員法に規定する給与決定の原則とは異なり遺憾」との見解を示していたが、県は来年度も削減の継続に踏み切る方針。

県人事課は管理職の月給削減を続ける理由について「市町や関係団体、県民の理解を得て県が支出を抑制する中で、管理監督の立場にある職員が自ら身を削っって県民サービスを低下させないように努めるという強い姿勢を示す必要があるため」としている。

県職労は勧告を巡る県との交渉で「勧告は職員の給与を決める唯一のよりどころ」と主張し、勧告の「完全実施」を求めていた。県職労の草深英治書記長は取材に「宿泊費の引き下げなど職員には厳しい状況で、勧告が実施されることを評価している」と話した。