三重国体経費に50億円 電気事業精算金を充当へ 県が検討

三重県が3年後に開かれる三重とこわか国体・三重とこわか大会(全国障害者スポーツ大会)の開催経費を電気事業会計の清算金で賄う方向で検討していることが12日、関係者への取材で分かった。電気事業会計はRDF(ごみ固形燃料)焼却・発電事業の終了に伴って清算される見通しで、財政難に陥る県は約100億円と試算される開催経費のうち半額を、この清算金で賄いたい考え。一方、県議会からは清算金について「福祉関係の施策など別の目的に使うべき」と指摘する声もあり、県には説明が求められそうだ。

関係者によると、近年の国体を基に試算すると、三重国体の開催経費は約100億円に上る。一方、県が国体に向けて積み立てている基金は現時点で13億円ほど。国体に関連する国からの交付金も5億円程度にとどまる見通しで、財源の確保が課題となっていた。

「かつてない財政難」に直面する県が目を付けたのが電気事業会計。県の企業庁が運営する特別会計の一つで、水力発電事業とRDF焼却・発電事業で構成される。水力発電事業は既に残務整理中で、RDF事業は来年9月にも終了する見通しとなっている。

RDF事業に「残る金はない」(企業庁)というが、水力発電事業は三瀬谷ダム(大台町)などの全施設を中部電力に売却したため、平成28年度決算で約57億円が残る。県はこの残金を清算金として一般会計に繰り入れ、国体の経費に充てたい考えだ。

県は21日から始まる県議会11月定例月会議で、この考えを表明する方針。関係者は「国体の経費に電気事業の清算金を充てようという考え方は、少なくとも数年前から浮上していた。財政難の県にとって、他に経費に充てられる財源はない」と明かす。

これに対し、ある県議は「子育て支援や少子化対策など、清算金の使い道はたくさんある。なぜ全額を国体に充てるのかが理解できない」と指摘。「県は国体に100億円もの経費を要する根拠や、削減の余地がないのかを十分に説明すべき」としている。