「職人として受けたい」 亀山市贈収賄事件 宮大工から受注働きかけか 三重

【押収書類の入った段ボール箱を手に市役所玄関を出る捜査員ら=亀山市役所で】

三重県の亀山市が指名競争入札を担当した市指定文化財の修理工事を巡る贈収賄事件で、工事受注の見返りに現金を渡した贈賄容疑で逮捕された宮大工業の今枝敏男容疑者(64)=同市布気町=が、「職人として工事を受けたかった」などと供述していることが26日、捜査関係者への取材で分かった。加重収賄容疑で逮捕された同市の前文化振興局長で生活文化部次長の嶋村明彦容疑者(57)=同市関町=に受注を働きかけ、嶋村容疑者がこれに応じたとみて詳しい経緯を調べている。

捜査関係者によると、2人は文化財保護事業などを通じて知り合ったとみられる。今枝容疑者は宮大工職人としての自身の実績から工事受注に意欲を見せ、対する嶋村容疑者は文化財保護の観点から今枝容疑者の実績を認め、受注に向けた便宜を図ったとみている。

同事件では平成29年6月29日、市が文化財保護事業として事務を担当していた「松風山福泉寺楼門修理工事」の入札で、当時事業を所管する文化振興局長の立場にあった嶋村容疑者が、今枝容疑者に各社の最低価格を教えて入札書を差し替えさせるなど便宜を図り、その見返りとして7月中旬、同市内で今枝容疑者から現金数10万円を受け取った疑いがある。

県警捜査二課と亀山署の合同捜査本部は同日、2人の自宅や嶋村容疑者の勤務先である亀山市役所、同関支所の関係部署など11カ所を約40人体制で家宅捜索。午前9時―午後1時50分ごろまで約5時間にわたって捜索し、福泉寺にかかる補助事業の計画書など関係書類約190点を押収した。今後は押収資料を基に金銭授受に向けた具体的なやり取りなどを調べる。

また同捜査本部は同日、加重収賄の疑いで嶋村容疑者、贈賄の疑いで今枝容疑者の身柄をそれぞれの留置先から津地検に送検した。