一時存亡の機 「名張秋祭り」あす開催へ 担ぎ手説得

みこしの担ぎ手らが「祝儀の着服」という疑いを掛けられて巡行の辞退を申し出たため、存亡の機に立たされていた三重県名張市の伝統行事「名張秋祭り」は27日と28日に開催されることになった。担ぎ手らが周囲の説得を受け、みこしの巡行を決めたため。担ぎ手らに疑いを掛けた主催者団体の男性が問題への責任を取って役員を辞任していたことも、関係者への取材で分かった。

問題を巡っては、祭りを取り仕切る奉斉会の役員の一部が「担ぎ手らがみこしに投げ込まれる祝儀を着服しているのでは」という疑念を抱き、この疑念が少なくとも9月ごろから「うわさ」として周辺に流れた。

これを受け、みこしの担ぎ手らでつくる「藤の木会」が「うわさは全くのでたらめだ」と反発。先月上旬、みこしの巡行を辞退すると奉斉会に申し出た上で、祝儀の帳簿や通帳を返納していた。

関係者によると、奉斉会は担ぎ手らに謝罪した上で、祭りへの参加を再三にわたって説得。うわさを流したとされる役員は辞任したほか、奉斉会は3人の役員を今年の祭りに参加させないことにしたという。

藤の木会の会長を務める森脇和德市議は取材に「町の重鎮らに説得され、藤の木会からも伝統行事を続けるべきだという声が上がった。奉斉会の対応を聞いた上で、参加することにした」と話した。

祭りは藤堂高虎の養子で名張藤堂家の祖とされる高吉が約350年前に始めたとされ、みこしは祭りの中心的な役割を担っている。10月の最終土曜に宵宮、翌日の日曜に本祭が開かれる。