15年前の暴力団幹部射殺事件 元組員の男に懲役13年 津地裁判決 三重

平成15年7月、山口組弘道会十代目伊勢紙谷一家の乙部和彦若頭=当時(42)=が三重県津市の自宅で射殺された事件に加担したとして、殺人と銃刀法違反の罪に問われた元組員の住所不定、無職白井繁治被告(75)の裁判員裁判で、津地裁(田中伸一裁判長)は18日、白井被告に対する殺人罪などの共同正犯を認め、懲役13年(求刑・懲役18年)の判決を言い渡した。

田中裁判長は判決理由で、殺害に向けた事前の謀議への加担について、「役割分担等の計画や合意に加わっていたと認めるには足りない」と指摘。プリペイド式携帯電話の購入や被害者方周辺の地図のコピーなどの準備行為も「犯行への意思の合致があったと推認するには足りない」とした。

一方で、実行役に渡すために拳銃などが入った紙袋を駅のコインロッカーに預けた行為については、「運ぶ途中に拳銃が入っていたと認識していた。共犯者から『死んでもらうことに決まった』と伝え聞くなど、事実経過から殺害に直結すると認識していなかったとは考え難く、犯行への意思の合致があった」とし、共同正犯の成立を認定。「計画的で暴力団組織特有の価値観に由来する短絡的かつ身勝手な動機。役割は相対的に重くはないが自身の非を認識して反省する様子がうかがえない」と述べた。

判決によると、白井被告は当時の組幹部や関係者など7人と共謀して15年7月24日午後、津市高洲町の被害者方玄関で、拳銃で頭部に銃弾を2発撃ち込み、脳挫傷により殺害。犯行後の17年にタイに逃亡し、1月に不法滞在容疑で逮捕され、国内に移送された。共犯者7人は殺人罪などで実刑が確定している。