
三重県などは9日、東京都千代田区の帝国ホテルで、2年後の東京五輪・パラリンピック大会を契機とした県産食材の販売拡大などを目的としたレセプションを開き、大会関係者ら約200人を招いて県食材の魅力をアピールした。
事業者との接点をつくり、東京五輪・パラ五輪で県産食材を採用してもらうなど、販路拡大につなげるのが狙い。
会場では、帝国ホテルのシェフが考案した、松阪牛のローストビーフや伊勢エビの鉄板焼き、県産ブランド米「結びの神」のバターライスなどが提供された。
帝国ホテルの田村和久さんは「三重県の食材はいずれも味が濃く、豚の脂は甘い。また世界的に有名な松阪肉を調理するのは料理人冥利(みょうり)につきる」と話した。
津市出身でレスリング女子五輪3連覇の吉田沙保里さんや四日市市出身で車いすテニスのアテネパラリンピック金メダリストの齋田悟司さんが応援にかけつけ、県産食材の魅力をアピール。2人は「三重には肉や山の幸、海の幸がそろっている。関東ではあまり三重の食材を見る機会がないので食べる機会が増えるとうれしい。大会では世界中の選手に三重のおいしい食材を味わってもらいたい」と呼びかけた。
また、みえの食国際大使で組織委顧問の三國清三さんは、五輪・パラ五輪では「基本的に選手にオーガニックの食材を提供しないといけない。県内でチーム三國をつくり(農業生産工程管理の国際規格である)グローバルGAPの認証取得を進めましょう」と鈴木英敬三重県知事に提案。「三重の食の大使として今後も県産の食や産品について貢献するために力になりたい」と語った。
ほかに、生産者団体や企業、高校などが産品の安全性やおいしさをPRし、来場者は熱心に聞き入っていた。
招待を受け出席したホテルの仕入れ担当者は「なばななど三重ならではの食材に興味がある。仕入れルートについても話し合いたい」と語っていた。
またこの日は来賓として東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック協議大会担当大臣の櫻田義孝氏が出席した。