三重県議会常任委 同額かゼロベースか 県新番組予算で綱引き

三重県議会9月定例月会議は9日、戦略企画雇用経済、医療保健子ども福祉病院、防災県土整備企業の各常任委員会と分科会を開いた。利用率の低迷を受けて本年度末で終了する「データ放送」の代替案として、県が新たな情報番組の放送などを検討していることについて、委員から「テレビ番組ありきで考えないように」との指摘が出た。県広聴広報課は「さまざまな媒体の費用対効果を検討している」と説明するが、データ放送に要した年間約1800万円の委託費とほぼ同額を代替案に投じたい考え。一方、財政課は「代替案の予算は、あくまでゼロベースで精査する」としており、「ポストデータ放送」の全容は12月にも公表される予算の要求状況で明らかになる見通しだ。

◆データ放送の代替案 検討の詳細求める

〈戦略企画雇用経済=芳野正英委員長(8人)〉
委員からはデータ放送の代替案について「決まってからでの報告では困る」とし、検討状況の詳細な説明を求める声が上がった。芳野委員長は今後の委員会で検討状況の資料を提出するよう県当局に要請した。

【データ放送】
県は平成26年度から年間約1800万円の委託料を支払ってデータ放送を運営してきたが、アンケートで「情報の入手に活用したい」と回答した割合が7%にとどまるなど利用率は低迷。このため、県は本年度での終了を決めている。

稲森稔尚委員(草の根運動いが、一期、伊賀市選出)は「(代替案も)テレビありきになっていないか」と質問。県広聴広報課は「さまざまな媒体での発信を考えている」としつつも、「放送の時間帯や費用対効果などを検討している」と説明した。

【県政だより】
県が全戸配布を取りやめて新聞折り込みでの配布に切り替えている「県政だより」について、岡野恵美委員(共産党、1期、津市)は「できるだけ多くの人に届けようとするためには全戸配布が必要」とし、方針転換を求めた。

県広聴広報課は「基本的には現在の方法をベースにしたい」とし、現時点で全戸配布の予定はないと返答。市町の役場で来庁者に配布したり、大学などの高等教育機関に設置したりと、県民の多くに届くよう努めていると説明し、理解を求めた。

◆地域医療体制を検討 県市のWG設置を報告

〈医療保健子ども福祉病院=野口正委員長(7人)〉
県は県立一志病院(津市)を核とした地域医療体制を検討するため、4月に県と市の実務者レベルのワーキンググループ(WG)を立ち上げたと報告。地域包括支援センターと訪問看護ステーションの設置場所や費用について合意に至っていないと明かした。

【県立一志病院】
WGには県の関係部局の班長と市の主幹級職員が出席。地域包括支援センターの設置など12項目について月に2回協議している。県当局は10月末までに7項目の協議を終えたい考え。

院内での地域包括支援センターの設置については、設置場所や設置に伴う改修費用で協議が難航。センターに併設される予定の訪問看護ステーションの改修費用についても協議が進んでいない。

【債権処理】
平成28年度末までに発生した債権532件、計約7682万円のうち、目標を24件上回る74件、計約921万円を処理したと報告した。弁護士への回収業務委託で債権処理が進んだことが主な要因とした。

濱井初男委員(新政みえ、2期、多気郡選出)は「無保険者の対策は進んでいるのか」と質問。

長谷川耕一病院事業庁長は「無保険のまま高額な医療費が複数月重なり金額が膨らむ場合がある。県側から患者の状況を把握するのは難しい」と対策に苦慮していることを明かした。

◆洪水時「水位計」設置へ 120基、本年度中に前倒し

〈防災県土整備企業=小島智子委員長(8人)〉
県は、洪水時だけ観測する低コストの「危機管理型水位計」を本年度中に120基設置すると明らかにした。7月の西日本豪雨で河川の水位情報が把握できずに住民が逃げ遅れたため、整備スケジュールを前倒しする。

【危機管理型水位計】
危機管理型水位計は同運営協会が運営するホームページで洪水時にリアルタイムの水位情報を閲覧できる。台風21号が接近した8月31日に県管理河川では初めて運用を開始。9月末までに7基が県内で運用されている。

県は2年後までに県管理河川に181基の危機管理型水位計を設置する計画で、本年度は40基を県管理河川に設置する予定だった。西日本豪雨で被害が発生したことを受け、設置計画を変更した。来年度以降も引き続き設置を進める。

【県流域下水道施設】
県は県流域下水道施設の指定管理者に引き続き外郭団体の県下水道公社を指名する考えを示した。今月22日の指定管理者選定委員会で審査し、決定する。期間は来年度から5年間。同公社は昭和63年以降、下水処理施設の管理を担っている。

県議会11月定例月会議で議決を経た上で、来年3月に協定を締結する。協定を締結した場合、県内6カ所の浄化センターの管理を継続する。同公社は事業計画書で、電力調達費を5年間で約5億円削減する目標を掲げている。