三重県議会常任委 企業努力に水差し陳謝 県、協力継続願う

【議案を審査する戦略企画雇用経済常任委=三重県議会議事堂で】

三重県議会9月定例月会議は4日、戦略企画雇用経済、防災県土整備企業、医療保健子ども福祉病院の各常任委員会と分科会を開いた。村上亘雇用経済部長は、県が障害者雇用率の算定を誤った問題について、障害者雇用を民間に呼び掛ける立場として「企業の多大な努力で徐々に障害者雇用率が上がってきた中で申し訳なく思う」と陳謝しつつ、「これからも企業に協力をいただきたい」と述べた。小林正人委員(自民党県議団、3期、鈴鹿市選出)への答弁。委員らは算定誤りの再発防止を求めた。

◆AIで産業をスマート化へ
〈戦略企画雇用経済=芳野正英委員長(8人)〉

県は産業振興政策の中長期的な方向性を示す新たな計画「みえ産業振興ビジョン」(仮称)の素案を示した。AI(人工知能)やロボットを活用した「ものづくりのスマート化」などを重点に位置づける。

【産業振興計画】
平成24年度に策定した「みえ産業振興戦略」を全面改訂してビジョンを作成。計画の対象期間は定めていないが、「10年後の県」を見据えたという。有識者らの意見を踏まえ、10月中の策定を目指す。

新たな計画は、超高齢化社会の到来や若者の県外流出、世界経済のアジアシフトなど、社会経済情勢が転換期を迎えていると説明。「延長線上の取り組みでは強靱で多様な産業は実現できない」と指摘した。

その上で、AIやロボットによる産業のスマート化▽県産品や観光資源を活用した付加価値の創出▽産業政策を通じた地域課題の解決▽産業基盤やネットワークの強化―の四本柱を重点的な取り組みに掲げた。

【授業料】
県立津高等技術学校(津市高茶屋小森町)の授業料を引き上げる条例案を、芳野委員長を除く7人で採決し、6対1の賛成多数で「可決すべき」とした。

条例案は、31年度の入学生から年間の授業料を3600円増の11万8800円とする。他の県立学校は平成19年度に授業料を引き上げたが、同校は不況による失業率の上昇を理由に見送っていた。
◆法定点検未実施を謝罪
〈防災県土整備企業=小島智子委員長(8人)〉
県は一定規模以上の特定建築物や換気設備などの特定建築設備のある県有施設1129棟のうち約2割にあたる214棟で、法定点検が未実施だったと報告し、謝罪。各委員からは全庁的なチェック体制の整備や原因の解明を求める意見が相次いだ。

【法定点検】
一部の県有施設で法定点検を実施していなかった問題で、福永和伸防災対策部長は「模範となるべき行政機関で不適切な状況が生じていたことを重く受け止めている。未実施の施設の対策を立てた上で再発防止を徹底し、信頼回復に努めたい」と陳謝した。

法定点検の制度が各部局で周知されていなかったのが原因とし、制度と具体的な点検項目を9月21日付で各部局に通知したと説明。各部局で点検時期や点検方法を検討し、来月中旬をめどに取りまとめる方針を明らかにした。

中嶋年規委員(自民党県議団、4期、志摩市選出)は部局ごとに点検を実施していることを問題視し「各部局任せになると同じことの繰り返しになる。どこかが一元的にチェックすべき」と主張。全庁的なチェック体制の必要性を訴えた。

福永部長は「分散して管理しているものはほかにもある。ほかのリスクも含めてしっかり検討する」と述べた。県当局は「危機管理課が年に2回各部局の危機管理の進展状況をしている。その仕組みを活用してフォローしたい」とした。
◆受動喫煙対策を強化 改正健康増進法7月交付で
〈医療保健子ども福祉病院=野口正委員長(7人)〉

養護老人ホームの設備や運営の基準を定めた県の条例を改正する議案を全会一致で可決すべきとした。県当局は改正健康増進法が7月25日に公布され、受動喫煙対策が強化されたと説明。来年1月下旬までに示される政省令に基づいて対応する考え。

【受動喫煙対策】
改正健康増進法は2年後の4月1日に施行され、学校や病院、行政機関の敷地内は禁煙になると説明。知事は公共の場で喫煙する人に喫煙の中止を命じ、禁煙の場所に灰皿などの喫煙設備を設置した施設管理者に勧告や命令を出す。

ただ、屋外では受動喫煙を防ぐために必要な措置をとった場所に喫煙場所を設置することはできる。詳細な制度設計は政令や省令で示される予定で、県は政省令に基づいて受動喫煙対策を進める。

【看護師確保】
4―7月までのナースバンクの登録者は月平均約431人だったと報告。4カ月で延べ247人が就業した。昨年度にナースバンクを利用して再就職した看護師は求職者1万788人のうち682人にとどまった。

津田健児委員(自民党県議団、4期、四日市市選出)は、看護師と医療機関のマッチングがうまくいかない理由を尋ねた。県当局は「医療機関の提示する労働条件が求職者の求める条件と合わないため」と説明した。