鰯街道の歴史知って 三重調理専門学校 大川理事長が食文化授業

【鰯街道について生徒に話す大川理事長(右)と松田さん=津市大谷町の三重調理専門学校で】

【津】地域の食文化を学ぶ授業が3日、三重県津市大谷町の大川学園三重調理専門学校であった。室町時代に安濃津(現在の津市)から京へとイワシを運んだ「中世鰯街道」について同学園の大川吉崇理事長(77)が話し、地産地消のすし普及に取り組む「三重すし街道」相談役の松田春喜さん(68)がイワシずしの作り方を手ほどきした。

大川理事長は自身の研究から、室町時代の「御伽草子」に伊勢国阿漕が浦の鰯売りの話があり、津で朝取れた魚が夕方には京に着き、生ものが喜ばれたとして「この物語から若狭の鯖街道、琵琶湖の鮒街道、伊勢湾の鰯街道が見える」と述べた。また子ども時代の記憶をたどり「白塚のイワシは有名で全国で知られていたが今の人はぴんと来ない」と残念がった。

松田さんは4、50年前津の祭りずしとして広く食されていた「イワシずし」を実演。開いたイワシを酢で締めて握り、細かく切ったショウガを乗せた。

生徒も香良洲町産のイワシを使って挑戦し、武藤光さん(19)は「鰯街道のことは授業で初めて知った。三重の津で発展したものが消えているのは残念なので調理師を目指す者として広めていきたい」と話した。

松田さんは大川理事長の著作で津のイワシが「御伽草子」に登場することを知ったといい「歴史ある伊勢湾のイワシが知られていないのはもったいない。これから全国に発信していきたい」と話していた。