暴力団幹部射殺、無罪を主張 津地裁初公判 タイ逃亡後逮捕の被告男

平成15年7月、山口組弘道会十代目伊勢紙谷一家の乙部和彦若頭=当時(42)=が三重県津市の自宅で射殺された事件に加担後、タイに逃亡していたとして、殺人と銃刀法違反の罪に問われた元組員の住所不定、無職白井繁治被告(75)の裁判員裁判初公判が2日、津地裁(田中伸一裁判長)であり、白井被告は「全く違います」と起訴内容を否認。無罪を主張した。

検察側は冒頭陳述で、「被害者から何度も激しい暴行を受けて殺害したい動機があった」と主張。共犯者との謀議に加わり、殺害に使用されることを認識しながら実行役との連絡手段に使用するプリペイド式携帯電話2台を購入。また被害者方周辺地図のコピーを作成し、凶器となった拳銃とともに紙袋に入れてJR四日市駅のコインロッカーを通じて実行役に渡すなど「殺害計画に重要で不可欠な役割を果たした」とした。

弁護側は、携帯電話の購入や地図のコピー作成といった事実はなく、四日市駅のコインロッカーに預けた紙袋に拳銃が入っていたという認識もなかったと主張。他の共犯者とは組織内での立場も違い、謀議には参加していなかったとして共同正犯の成立を否定した。

起訴状などによると、白井被告は当時の別の組幹部や関係者ら7人と共謀して15年7月24日午後8時20分ごろ、津市高洲町の乙部若頭方玄関で、拳銃を使用して頭部に銃弾を2発撃ち込み、脳挫傷により殺害したとしている。