三重大病院 女児にインスリン過剰投与 看護師ミス5―7倍量、現在も治療中

【インスリン過量投与を会見で謝罪する伊藤正明院長(中央)ら=津市栗真町屋町の三重大学で】

三重大医学部附属病院(三重県津市)の伊藤正明院長らは28日記者会見し、今年3月に、入院中だった県内在住の女児=当時(1つ)=に、誤ってインスリン製剤を投与基準値の5―7倍過剰に投与する医療事故があったと発表した。女児は低血糖の症状を引き起こし、その影響で現在もほかの病院で治療中だが、命に別状はないという。伊藤院長は「患者やご家族に迷惑をかけたことをお詫び申し上げる」と謝罪した。

同病院によると、担当看護師の投与ミスが原因。女児は3月に同病院で手術を受けた。その際女児の血中カリウム値が上昇しているのを確認したため、術後3日目から術後処置として、適切な量のインスリン製剤とブドウ糖液を混ぜ合わせた点滴でカリウム値を下げる処置をした。

その後順調に安静に向かっていたが、術後6日目に担当した看護師がインスリンを点滴に入れる専用注射器が見当たらず、一般的な注射器を使用したため、点滴内のブドウ糖液に対して過量なインスリンが誤って投与された。

女児は、術後7日目に容態が急変し、低血糖と判明。点滴を調べた結果、ブドウ糖液と混ぜ合わせたインスリン製剤の濃度が適正量の約7倍近くになっていたと分かった。

同病院ではインスリン製剤を点滴に入れる際、2人の看護師が互いに適正量かを確認するダブルチェックをしていたが、担当看護師はしたかどうか覚えていないという。同病院は担当看護師を厳重注意処分にした。

同病院は今後の再発防止策としてインスリン製剤と専用注射器を同じ場所に置くことと、ダブルチェックの徹底を挙げた。

事故から約半年を経ての発表となった理由について、同院は、県外の医師・薬剤師らを交えた外部調査委員会で調査した結果が8月にまとまり、女児の家族の了承を得た上で明らかにしたとしている。