三重県議会・一般質問 バックウオーター現象、7河川で県対策せず 豪雨時の氾濫原因

三重県議会9月定例月会議は27日、中瀬古初美(新政みえ、1期、松阪市選出)、青木謙順(自民党県議団、4期、津市)、小島智子(新政みえ、2期、四日市市)、田中祐治(自民党県議団、1期、松阪市)の4議員が一般質問した。西日本豪雨で河川の氾濫を起こした原因の一つとされる「バックウオーター現象」について、県は対策が必要な県管理河川のうち7河川で対策を実施していないことを明らかにした。「バックウオーター現象は県管理河川でも起こりうる。優先度を考慮して整備時期を検討したい」とした。

◆国体PRにフルマラソン ― 中瀬古 初美議員(新政みえ)

松阪市で実施に向けて準備が進むフルマラソン大会を、3年後の三重とこわか国体・三重とこわか大会のプレイベントとして開催することを提案。鈴木知事は「大会のPRに大きな効果が見込める」と前向きな姿勢を示した。

【フルマラソン大会】
中瀬古議員 松阪市では2年後にフルマラソンを開催することを目指している。三重国体のプレイベントとして開けないか。

知事 7月に松阪市でフルマラソン大会開催に向けて準備委員会が発足したのは喜ばしい。県もオブザーバーとして参加している。フルマラソン大会を三重国体のプレイベントとして位置付けることや、三重国体の冠名称をつけることで両大会のPRに効果が見込める。開催に向けた松阪市の取り組みに参加し、支援したい。

【自殺対策】
中瀬古議員 県内の年間自殺者は減少傾向が続いているが、若年層の自殺は横ばい。県内の自殺の現状と課題は。自殺を防ぐためにどのように取り組んでいるのか。

福井医療保健部長 子ども・若者世代の死亡原因の中で自殺の占める割合が最も多くなっている。子ども・若者世代は抱えた問題の解決策を見い出すことができず、困っていても周囲に相談できない。各保健所などに相談窓口を設置し、高校で周知を図っている。今後も相談しやすい環境作りに取り組む。

◆危険ブロック塀の状況は ― 青木 謙順議員(自民党県議団)

青木議員は大阪北部地震をきっかけに全国で発覚した危険なブロック塀について、撤去の状況を質問。県教委は県立学校の危険なブロック塀を年度内に全て撤去する見通しを報告した。

【ブロック塀】
青木議員 大阪北部地震では学校のブロック塀が倒壊し、女児が亡くなった。県立学校の危険なブロック塀の撤去に向けた状況や、近い将来に予想される災害への対策は。

廣田教育長 緊急の安全点検を実施し、県立学校で63カ所のブロック塀などを撤去することにした。年内には5割程度を完了し、年度内には全ての対応を完了できるよう取り組んでいる。施設の対策に加え、防災資機材の配備も進めている。やむを得ず生徒を学校に宿泊させる場合に備え、毛布や保温シート、発電機などを配備している。

【一志病院】
青木議員 民間移譲の方向性だった県立一志病院について、知事が「公的関与が必要」との考えを示してから1年がたった。一志病院の取り組みをどう評価しているか。

鈴木知事 一志病院は総合診療医などプライマリケアに携わる人材の育成に取り組むなど、県の医療政策を進める上で重要な役割を担っている。地域医療は津市、医療人材の育成は県という役割分担をした合意を踏まえ、一志病院は総合診療医の育成や地域包括ケアシステムの構築で中心的な役割を担うと考えている。

◆種子法廃止で代替条例を ― 小島 智子議員(新政みえ)

優良種子の普及を都道府県に義務付ける主要農作物種子法(種子法)が4月に廃止されたことを受け、代替となる条例の必要性を指摘。県は「要綱に基づき安定供給に取り組む」と説明。条例策定の必要性を含めて検討する考えを示した。

【主要農作物種子法】
小島議員 種子法はどんな役割を果たしていたのか。廃止によって価格が高騰することや多様な種子が失われることへの懸念がある。条例策定の必要性は。

岡村農林水産部長 水田農業の発展や食料の安定的な供給に寄与してきた。種子法廃止後も県米麦協会など関係団体と連携し、要綱に基づいて引き続き稲や麦の優良種子の安定供給に取り組んでいる。現時点では支障がないと確認している。条例化は必要性も含めて引き続き検討する。

【児童虐待防止】
小島議員 東京都目黒区で虐待された女児が死亡した事件を契機に警察と虐待事案について情報共有すべきという動きが出てきた。県としての考えは。

田中子ども・福祉部長 1月あたり30件程度の情報を児童相談センターから警察に提供している。警察からも新たに把握した情報を提供してもらい、積極的に情報共有している。センターと県警少年課をオンラインで結び、本年度中に児童虐待に関する情報のうち共有が必要と思われるものについては少年課でもリアルタイムで閲覧できるように整備する。

◆再犯防止推進計画を要望 ― 田中 祐治議員(自民党県議団)

田中議員は刑務所を出所した人らの再犯を防ぐための「再犯防止推進計画」を策定するよう要望。鈴木知事は再犯に特化した計画を策定するか、地域福祉支援計画に盛り込むかを検討する考えを示した。

【再犯防止】
田中議員 平成30―32年度中に、検討段階を含めて再犯防止推進計画の策定を見込んでいるのは34都道府県。検討されていないのは12県で、悲しいことに県もその中に入っている。

鈴木知事 再犯防止の施策を継続的に進めていくため、何らかのよりどころを設ける必要がある。単独の計画でなく、地域福祉や安全安心のまちづくり計画に盛り込むというとことも考えられる。

【バックウオーター】
田中議員 甚大な被害を受けた倉敷市真備町では「バックウオーター現象」が決壊につながった可能性があると指摘されている。県内でも同様の現象が起きる可能性があると思うが。

渡辺県土整備部長 洪水時に本川の影響を受けて支川の水位が上昇するバックウオーター現象は、県管理河川でも起こりうる。本川と支川の合流点に水門などの施設を設置するなど、本川から支川への逆流を防ぐ対策を進めている。バックウオーター現象への対策が必要な河川が38あり、うち7が未対策となっている。河川の優先度を考慮しながら整備時期を検討したい。

<記者席>「ピンクシャツ運動」再び

○…松阪木綿の着物姿が恒例の中瀬古議員は、いじめの撲滅を目指して県が11月に実施する「ピンクシャツ運動」に合わせて帯をピンク色に。他の議員も中瀬古議員の呼び掛けで、ピンク色のネクタイやワイシャツを着用した。

○…ただ、いじめに反対する世界的な運動「ピンクシャツデー」だった2月28日の本会議でピンク色を身に付けたのは3人、意味を知っていたのは1人だった。県議会でも着実に運動は浸透しているようだ。

○…事前の質問通告を見た記者は、田中議員が「再発防止策」について尋ねると思っていたが、実際は「再犯防止策」だった。障害者雇用率の算定誤りをはじめとする事務処理ミスが相次ぐ中で、とんだ勘違いに失礼。

○…ところが、質問や答弁にも「課題を直視する必要がある」「効果的な防止策を進める」などと、事務処理ミスを連想させる言葉が。「双方の問題に通じる部分がある」という〝思いつき〟も記者の勘違いだろうか。