「新病院には新体制で」 伊勢総合病院管理者・院長 藤本氏が退任理由語る 三重

【市立伊勢総合病院の藤本院長が役職を退く理由を説明する鈴木市長=伊勢市役所で】

【伊勢】一身上の都合を理由に今月末日で市立伊勢総合病院(三重県伊勢市楠部町)の病院事業管理者と院長を退く藤本昌雄氏(71)が27日、本紙の取材に応じた。市はこれまで「自己都合」とし、理由を明らかにしてこなかったが、藤本氏は「赤字経営の改善に筋道を付けた。来年1月の新病院開院を前にトップを刷新し、新体制で進むべき。今後は一人の医師として病院を支える」と語った。

老朽化に伴う災害対策などを理由に、現在地の隣で建て替えが進んでいる同病院は、赤字経営の改善が課題となっている。平成29年度の実質的な営業実績は約2億8千万円(対前年度比2億円減)の赤字だった。依然として赤字経営が続くが、藤本氏は「ある程度は良くなった」と判断した。

市は経営状況を改善するため、病院経営を担当する事業管理者が院長を兼務する現在の体制を改める条例案を3月議会に提出し、可決された。事業管理者は市長が任命する特別職で、医師免許は不要という。

藤本氏は取材に「条例改正案を議会に出した時から、いつ辞めてもいいと考えていた。市長と相談し、この時期になった」と話した。厳しい経営状況が続く中、新病院開院の3カ月前に役職を退くことについては「無責任だとは思わない。開院を一つの契機とし、トップを刷新すべきと判断した。やり残したことはない」と語った。医師としては病院にとどまる。

後任の事業管理者には、同病院の佐々木昭人経営推進部長(59)、院長には原隆久副院長(62)が10月1日付で就任する。

鈴木健一市長は「詳しい人選理由は話せない」とし、人事の刷新は「(いつ辞めてもいいという)藤本院長の意向を踏まえて判断した」と述べた。