来春合併へ予備契約調印 JA伊勢・鳥羽志摩・三重南紀

【来年4月の合併に向け、予備契約書に調印したJA伊勢の加藤代表理事組合長(前列中央)ら=伊勢市宇治中之切町で】

来年4月の合併に向けて協議を進めているJA伊勢(度会町大野木)、JA鳥羽志摩(志摩市阿児町鵜方)、JA三重南紀(御浜町阿田和)の予備契約調印式が22日、伊勢市宇治中之切町の神宮会館であり、JA伊勢の加藤宏代表理事組合長ら3JA代表者が契約書に調印した。地域の人口減少や組合員の高齢化が進む中、経営基盤を強化する。合併後、農畜産物の販売額は県下最大になる見込み。

JA伊勢を存続させ、JA鳥羽志摩とJA三重南紀は解散する。組織の名称は「JA伊勢」を継承し、本店は現在と同じ度会町大野木に置く予定。各JAは11月下旬に臨時総代会を開き、各地区の総代から合併の承認を得る。3JAのうち、一つの組合でも否決すれば合併は成立しない。

臨時総代会で承認されれば、県の認可を経て予備契約が本契約になる。合併後は南勢の5市7町を管轄し、農畜産物の販売額は県内最大の約72億円となる見込み。総組合員数は約4万9千人、貯金総額は4348億円で、いずれも県内で2番目に多くなる。

合併の背景には地域の人口減少や組合員の高齢化がある。3JAの正組合員の合計数は約2万5千人。そのうち84・1%が60歳以上の高齢者だ。後継者不足もあり、農畜産物の合計販売額はこの5年間で約6億6千万円減少した。耕作放棄地も増えているという。

収益の八割を占める金融・共済部門も人口減少による悪影響の恐れがある。金融事業は主に組合員が対象のため、事業規模は組合員の数に左右される。国の低金利政策も懸念材料の一つという。3JAとも経営は安定しているが、将来を見据えて合併を決断した。

調印式では、鈴木英敬知事をはじめ鈴木健一伊勢市長ら「新JA伊勢」管内の5市7町の首長が見守る中、加藤代表理事組合長とJA鳥羽志摩の前田長弘代表理事理事長、JA三重南紀の筒井道夫代表理事理事長が予備契約書に調印した。

3JAを代表してあいさつした加藤組合長は「それぞれのJAが持つ強みを生かし、販売力の強化につなげたい。農業者の所得向上を目指す」と語った。