津 96歳奥山さん、水墨画寄贈 中学など5カ所に 三重

【水墨画「雪の観音堂」の受け渡しをする(左から)奥山さん、玲子さん、山田校長ら=津市内で】

【津】三重県津市久居小野辺町の水墨画家、奥山雄渓(本名・誠一)さん(96)は21日、市内の中学校など五カ所に水墨画22点と画集20点を寄贈した。同町の脇田山団地集会所で贈呈式があり、奥山さんと妻の玲子さん(83)が市立久居東中の生徒らに手渡した。

奥山さんは津市出身で水墨画歴は50年を超え、これまでに全国公募展で最高賞の内閣総理大臣賞などを多数受賞している。公民館やアトリエで多くの後進を育成し昨年12月の一門展を最後に引退した。

これまでの公募展出品作を「若い人にも水墨画に関心を持ってほしい」と地元の久居東、久居、久居西の3中学校、久居ふるさと文学館と、アトリエがある白山町の白山総合文化センターへの寄贈を決めた。

同中に贈られた30号の「雪の観音堂」は、降りしきる雪の中で木立に囲まれる白い屋根の御堂を描いた作品で、奥山さんは「筆一本で描いている。墨だけで5色を表すと言われる」と紹介。最近は体調が良い日に色紙などを描くといい「死ぬまで描き続けたい」と話した。

同中の山田正廣校長は「素晴らしい芸術に触れることは多感な時期の子どもたちの心を育む上で大切。大切に鑑賞させていただき地域の宝として心に刻みたい」と謝辞。3年で生徒会長の松島聖弥君(14)は「教科書でしか水墨画を見たことがなかったが、黒の濃淡だけで表現できることに驚いた」と感想を述べた。