28年度以前も調査指示 三重県知事、障害者雇用水増しで

【定例記者会見で、県教委の対応を陳謝する鈴木知事=三重県庁で】

三重県教委が障害者雇用率の水増しをしていた問題を巡り、鈴木英敬知事は12日の定例記者会見で、県教委が調査をしなかった平成28年度以前の状況も調査するよう指示したことを明らかにした。県教委は水増しを発表した記者会見で「さかのぼっての調査はしない」と明言していたが、鈴木知事の指示を受け、現在の方法による調査が始まった19年度以降の障害者雇用率を調べる方針。

問題を巡っては、県教委は6月1日時点の障害者雇用率を2・5%と公表していたが、実際は2・14%で法定雇用率(2・4%)を下回った。昨年6月1日時点の障害者数も2・41%から1・97%に訂正し、当時の法定雇用率(2・2%)を下回った。

同様の水増しは少なくとも平成20年6月分から続いていたというが、県教委が調べたのは過去2年分。県教委の会見では、さかのぼって調査しないことに対して記者から疑問の声が出たが、廣田恵子教育長は「前向きな姿勢で臨みたい」などと説明していた。

鈴木知事は記者会見でのやりとりや新聞報道を受け、11日にあった県教委事務局との会議で「そんなことではあかんやろ」と指摘し、28年以前の調査を指示したという。県教委は鈴木知事の指示を受けて対応を再検討し、さかのぼって調査すると決めた。

鈴木知事は会見で、障害者雇用率の水増しについて「県内の障害者雇用率が全国最下位レベルだったときに協力いただいた事業者を裏切る行為で慚愧(ざんき)に堪えない。子どもたちにルールの順守を説く県教委で、このような問題があったことは痛恨の極み」と述べた。

県教委がさかのぼって調査をしない方針だったことについては「原因究明や再発防止の姿勢が問われる中、調査方法の案も出さないのなら信頼は回復できないのでは」と指摘。水増しの原因は「同質性の高い組織で緩みや甘えがあったのでは」と推し量った。

また、鈴木知事は8月22日の定例記者会見で、県教委を含めた障害者雇用率の誤りは「発生していない」と発言していた。12日の会見では「(県教委に)裏切られた気持ちもあるが、それ以上に言葉を信じた私の甘さもあったと後悔している」と語った。