
三重県は11日、学校法人日本体育大(東京都世田谷区)と競技力向上に関する連携協定を結んだ。3年後に県内で開催の「三重とこわか国体」「三重とこわか大会」に向けて競技力向上を目指す県が指導、助言を受ける一方、同大からの合宿受け入れなどに配慮する。
県庁で同大の松浪健四郎理事長と協定書をかわした鈴木英敬知事は「トップアスリートを養成する日本最先端の機関にご助力いただき強化を進めたい。また多くのOBに三重を知っていただきたい」と語った。
県によると同大は体育・スポーツ振興に関する協定を全国自治体と結んでいるが、健康作りを目的とした協定も多く、競技力向上分野での締結は全国都道府県で初。
県内ではジュニア世代の指導者育成プログラム「みえコーチアカデミー」を今年スタート。講師を日本体育大の教員らが務めている縁で、各競技で多くのトップアスリートを輩出してきた同大との連携が浮上した。
協力項目は、相互施設での研究、強化活動▽指導者の交流、指導員の派遣▽選手間の交流▽相互施設の利用―など。「三重とこわか国体」「三重とこわか大会」後も継続した人材育成を目指すとして、内容を1年ごとに更新継続する。
締結式で、スポーツの振興を通じ「お年寄りに健康を、子どもたちに夢を」と語った松浪理事長は、スポーツ界で噴出するパワハラ問題についても「対岸の火事ではない」と憂慮し「一部のカリスマが君臨するのでなく、組織も活性化しなくてはならない」と述べた。