台風21号、一夜明け 三重県内、国宝寺院やハウス被害

【台風21号の強風でビニールハウスの天井が破れたイチゴ農家=伊勢市小俣町元町で】

非常に強い台風21号の接近から一夜明けた5日、三重県内各地で強風による被害が明らかになった。国宝の寺院や農家のビニールハウスが損壊し、関係者は復旧作業に追われた。一部地域では停電が復旧せず、給水車が出動するなど、生活への影響もみられた。

昨年国宝に指定された高田本山専修寺(津市一身田町)。強風で御影堂の長さ約8メートルの樋(とい)が折れ、如来堂では屋根付近の銅板がはがれた。国指定重要文化財の唐門や附骨堂も壁のしっくいなどがはがれ落ちたほか、境内の杉の木7、8本が倒れた。

担当者は「杉の木が一度にたくさん折れるのは珍しい。一部入れない施設はあるが、御影堂や如来堂の参拝は可能」としている。今後、文化庁や県と修理に向けて話し合う。

農家にも被害が出た。伊勢市小俣町元町のイチゴ農家・倉野佳典さん(36)のビニールハウス約900平方メートルでは、天井など計4カ所がはがれたほか、約2万2千株の苗の多くに被害が及び、葉が風で傷ついた。葉が少ないと収穫量が減少するという。

需要が高まるクリスマスシーズンに向け、今月中旬には苗植を始める。「2週間前の台風20号でも葉が破れ、再生してきたばかり。今年は台風続きで踏んだり蹴ったりだ」「収穫量は減ると思う。少しでも葉が再生してくれたら」と話す。

停電の復旧が遅れ、生活に支障を来たした地域も。熊野市では市内各所で断水が継続し、市は各地に給水車を派遣。同市甫母町では、約20人がバケツなどを持って給水車の前に並んだ。

川村政嗣区長(70)は「水がないと薬も飲めないし、ご飯も炊けないので給水車が来てくれてありがたい」と話していた。中部電力によると、停電は5日中には復旧する見込み。