2018年9月4日(火)

▼最優秀選手(MVP)に池江璃花子選手が選ばれ、メダル数が上積みされ、ジャカルタアジア大会は東京五輪への幸先よい前哨戦としてジャカルタアジア大会が閉幕した。代わってスポーツ界は、日本体操協会の不祥事が話題をさらっていくことになるか

▼アジア大会直前には助成金の不正流用や暴力団元組長との交際問題で、日本ボクシング連盟の山根明会長が辞任した。開催中は、バスケットボール男子日本代表選手が買春をしたとして選手団から追放処分を受けた。体操協会の不祥事は、宮川紗江選手を指導する速見佑斗コーチを暴力行為で無期限の登録抹消にしたことに端を発するが、宮川選手が8月末、処分を不服として抗議の会見をしたことから協会のパワハラ問題に発展した

▼大相撲に依然はびこる暴力問題、レスリングのパワハラ問題、アメリカンフットボールの悪質タックルと、昨年からスポーツ界の不祥事はいつ果てるともなく続く。その一方で、祝日移動に続きサマータイム導入など、五輪のためなら何でもまかり通ると言わんばかり密室の動きに、そこまでして五輪を実施する意味があるのかの反発も次第に募りつつある

▼体操協会でパワハラが問われているのは、五輪3大会連覇の塚原光男副会長と、その妻千恵子女子強化本部長だ。長男はアテネ五輪金の直也氏で知られる体操一家。その実績が輝かしいほど、夫婦で要職を務めていることに、そんたくの入り込む教訓を思い出させる

▼「スポーツの力で被災地を元気にする」という「復興五輪」だが、スポーツ界はそれどころではない気がする。