台風20号 兵庫で風車倒壊、三重県内でも不安の声 事業者は安全性強調

近畿地方を中心に被害をもたらした台風20号は、兵庫県淡路市の風車を根元から倒した。三重県内でも風力発電施設が数多く存在し、5年前には風車の羽が落下する事故もあった。風車の建設に反対する市民団体は「今回の事故を見て風車への怖さが増した」と不安視する一方、県内で風車を管理する事業者は「十分な強度を確保しており、安全性に問題はない」と説明している。

淡路市によると、倒れた風車は高さ約60メートルで平成14年に設置。風車が立地する北淡震災記念公園内の施設に電力を送っていたが、昨年5月に故障して休止中だったという。24日午前7時45分ごろ、公園の職員が「風車が倒れている」と通報した。

この公園を管理している市の担当者は取材に「これまで風車の安全性に問題があるという話は聞いたことがなかった」と驚いた様子。「設計上では風速60メートルの風に耐えられるはずで、強度は十分に確保されていると考えていた」と話していた。

三重県によると、県内には津市や伊賀市などに計105基の風車がある。これまで県内の風車が根本から倒れたケースはないが、25年4月にはシーテック(名古屋市)が津市の「ウインドパーク笠取」で管理する風車の発電機と羽根が落下する事故があった。

亀山市で計画中の風力発電に反対する市民団体「加太の自然を守る会」の北澤利明代表は取材に「淡路市で倒れた風車の映像を見て、基礎は大丈夫かと疑った。原因究明や責任を曖昧にすべきでない。反対運動でも安全性の問題をしっかり主張したい」と話した。

一方、県内で風車を管理する事業者は「自社の風車は安全だ」と主張する。津市と伊賀市にまたがる青山高原で子会社分を含めて91基の風車を手掛けるシーテックは「淡路市で倒れた写真を見る限りでは、自社の物と基礎の規模が大きく異なる」と指摘した。

また、度会町で昨年2月から14基を稼働させているエコ・パワー(東京)の担当者は取材に「国の厳格な審査を受けた上で設置しており、昨今では審査の厳しさも増している。自社の風車は70メートルの風速にも耐えられる構造で、安全性に問題はない」と話した。