三重県知事会見 犯罪被害者支援 年度内にも条例制定、見舞金も

【定例記者会見で、犯罪被害者支援条例を制定する考えを示す鈴木知事=三重県庁で】

鈴木英敬三重県知事は22日の定例記者会見で、犯罪被害者への支援について定めた「県犯罪被害者等支援条例(仮称)」を年度内にも制定する考えを示した。朝日町で中学3年の女子生徒=当時(15)=が殺害された事件を受けて制定を決めた。都道府県では初となる被害者に見舞金を送る制度も導入する予定。鈴木知事は「被害者が1日も早く平穏な生活を取り戻せるようにする」と述べた。

県によると、全国の14道県が既に、犯罪被害者の支援に特化した条例を制定している。ほかに、17府県が「安全安心まちづくり条例」などに被害者支援の項目を盛り込んでいるという。

見舞金の制度は、現時点で都道府県にはないが、県外の197市区町村が独自で設けている。県は休職を余儀なくされるなどして生活が一時的に困窮した被害者側への給付を想定している。

県は見舞金制度のほかに、相談体制や精神的なケアの充実▽雇用の安定▽二次被害の防止▽市町との連携―などを条例に定める方針。被害者から要望が多い病院や警察への付き添い支援も盛り込む。

県は学識経験者や被害者らでつくる条例の検討懇話会や市町の意見を条例案に反映させ、パブリックコメント(意見公募)を経て来年2月の県議会本会議に条例案を提出する方針。来年4月の施行を目指す。

朝日町の事件で亡くなった女子生徒の父親は6月、被害者支援の条例を制定するよう求める手紙を鈴木知事に郵送。その後、鈴木知事は父親と面会して「条例を制定する方向で検討する」と伝えていた。

鈴木知事は会見で、亡くなった女子生徒が22日で20歳の誕生日だと紹介した上で「25日で事件から5年。県として犯罪の被害者に寄り添う姿勢を示すために条例を制定することにした」と述べた。

見舞金の規模は「それほど大きくはならないかもしれない」とした上で「使途を限定せずに被害者が困っていることを支援する制度にしたい」と説明。来年度当初予算案に関連経費を計上する考えを示した。