三重県職員の宿泊費削減へ 県が労組と交渉妥結 下げ幅縮小、実費精算も断念

三重県が職員に支払っている「宿泊費」を削減することで、県職員労働組合(県職労)との交渉を妥結したことが10日、県への取材で分かった。1泊当たり一律で1万3100円としていた宿泊費を、都市部で1万1700円、地方で1万700円に、それぞれ引き下げる。来年1月1日から見直し後の制度を適用する方針。来月14日に始まる県議会9月定例月会議に旅費条例の改正案を提出する。一方、県は県職労の反発を受けて宿泊費の下げ幅を縮小させたほか、当初の段階で提案していた実費精算への切り替えも断念した。

県は3月、出張旅費の見直しを約10年ぶりに提案。このうち宿泊費は、定額払いから実費精算に切り替える方針だった。しかし、県職労が領収書を添付する必要があることなどを理由に「手続きが煩雑」と反対したため、県は実費精算への切り替えを断念した。

その代替案として、県は1泊当たり1万3100円の宿泊費を都市部で1万900円、地方で9800円に引き下げると提案。これまでは旅費法が定める国家公務員の管理職クラスと同額の宿泊費を支払っていたが、中堅職員クラスの水準に引き下げるよう求めた。

しかし、県職労は引き下げの提案に対しても「県が提案した金額では宿泊できない」などと反発した。これを受け、県は算定方法を見直し、全国の都道府県が支払っている宿泊費の平均値を採用。七月下旬に開かれた7回目の交渉で合意を得たという。

このほか、県は県職労との交渉で、出張先の電車賃などに充てる1日当たり1300円の旅行雑費と2000円の日額旅費を、実費支給に切り替える合意を得た。自家用車で出張する場合に支払う車賃も積算根拠を見直し、1キロ当たり30円から23円に引き下げる。

県人事課は宿泊費の下げ幅が縮小したことについて「全国平均を採用する説得力も高いと考えている」などと説明。実費精算の断念には「県職労の反対を受け、やむを得ないと判断した。最終的には国が定額払いを採用していることが基準となった」としている。

県職労の草深英治書記長は取材に「職員が出張旅費に自己負担を強いられないよう交渉に臨んだ。宿泊費に対する県と組合の主張には乖離(かいり)があったが、県が最終的に全国平均を採用するという独自性のある判断をしたため、合意することにした」とコメントした。