台風12号、津で猛威 収穫目前の「久居梨」落下 停電で交通も混乱 三重

【収穫前の実が落ちた梨園(團野広幸所長提供)】

【津】強い台風12号が29日未明に伊勢市付近に上陸し、三重県津市では農作物や建物に被害が発生したほか、大規模な停電の発生により混乱が生じた。市民らは復旧作業に取りかかる一方で、被害の大きさに「どうしたらいいのか」と頭を抱えた。

同市久居地区の特産「久居梨」を生産する梨園では、強風により収穫前の実が落下したり、傷が付いたりする被害が発生。早朝から梨園の農家らが落ちた実を拾い集める作業に追われた。落下した梨や傷の付いた梨は商品として出荷できないため、廃棄処分される。

JA三重中央営農センター久居支店の團野広幸所長(55)は「多いところは梨園のうち半分の梨がやられた。お盆の需要で一番売れる幸水のうち3―4割がだめになった」とみる。「幸水は久居梨で7割を占める主力の品種で、農家にはきつい」と語った。

市文化財の八ツ山神社(同市白山町八対野)では、境内の木が倒れ、本殿と拝殿を押しつぶした。本殿は石灯籠や屋根が壊れ、正面は倒木で埋もれた。拝殿ではつぶされた屋根の下から雨漏りが発生した。同神社は昨年12月に改修工事を終えたばかり。

小林裕八宮司(67)は「地域の協力で直したばかりなのでがっくりした。早くどけて掃除をしないといけない」と肩を落とした。氏子総代の松井務さん(73)は「今年はきれいな神社で正月が迎えられたと喜んでいた。こんな状態になって途方に暮れている」と話した。

また、停電の影響により市内各地の信号が停止。同市久居新町のJA三重中央前の交差点では国道165号と県道776号を走る車が速度を落としながら侵入する状況が見られたほか、右折車と直進する車で混乱。警察官が手信号で誘導する交差点もあった。