常識疑う視点を 「ハゲタカ」の著者真山氏、津で講演 三重

【講演する真山氏=津市大門の津都ホテルで】

【津】伊勢新聞政経懇話会7月例会が27日、三重県津市大門の津都ホテルであった。経済小説「ハゲタカ」の著者真山仁氏(56)が「ハゲタカ作者がみる現代日本の政治経済」と題して講演し、物事の捉え方として常識を疑うことなど四つの視点を提案した。

真山氏は一つ目の視点として、世間で常識とされる物事やニュース報道を疑う姿勢を提示。「ニュースなどを疑ってみると常識に振り回されている社会が見えてくる」と説明した上で「耳に優しい言葉こそ疑わなければならない」と主張した。

二つ目の視点では、現場の目を「虫の目」、全体を俯瞰(ふかん)して見る目を「鷹(たか)の目」と表現し、両方の目で物事を考えることを提案。「虫の目は地面を這(は)いつくばっている」と述べ、安易に「現場」という言葉を使わず、現場の本質を追求する姿勢を持つべきと説いた。

このほかの視点として、他国から見た日本の位置づけを推し量ることや、日本で通用する常識が海外では通らないことを自覚するよう提案。「日本では『話せば分かる』が通用するが、世界では理解されない」と述べ、分かり合うことより交渉が重視されるとした。

真山氏は最後に「思考停止に陥らないようにしてほしい」と要望。「講演を聞いて『なるほどそういうことか』と納得して思考を止めず、『俺はこう思うな』と考えるのが次への一歩」とし「常に物事にピリオドを打たないのが一番大切」と述べた。

真山氏は大阪府生まれ、同志社大法卒。昭和62年、中部読売新聞(現・読売新聞中部支社)入社。平成元年に退社し、フリーライターとなった。同16年に「ハゲタカ」(ダイヤモンド社)でデビュー。著書に「オペレーションZ」(新潮社)などがある。