モノクロームの油彩 津 画家・八島さんが個展 三重

【モノクロームの油彩画を紹介する八島さん=津市中央の三重画廊で】

【津】三重県いなべ市藤原町の画家、八島正明さん(81)の個展が25日、津市中央の三重画廊で始まった。画面を針で引っかいて描き出すモノクロームの油彩画30点を展示・販売している。29日まで。

八島さんはいなべ市出身で三重大学卒業後中学校の美術教諭となり仕事と制作を並行した。約30年勤めた後画業に専念し現在は無所属。キャンバスに地塗りした白い油絵の具に黒を重ね木綿針で引っかいて画面を作る独自の手法で描く。

砂浜に残るわだちの先に無人の車いすがある100号の「車椅子のある風景」など近作を中心に発表。鬼役の少女の周囲を影だけが囲む「かごめかごめ」では、一緒に遊んでいるようで孤独な現代っ子の姿を、蝉(せみ)の死骸を白い灰が覆う「白の蝉」は目に見えない放射線の恐ろしさを、それぞれ表現したという。

八島さんの創作の原点は、2歳で亡くなった妹の証しを残したい思いだが、近年の変化として「社会と無関係では意味がない。現代人に問題を提起し社会を批評する作品を描きたい」と話していた。