自宅に公文書 三重県職員が不適切事務 決定通知出さず、書類紛失

【職員の不適切な事務処理を発表し、陳謝する県幹部ら=三重県庁で】

三重県は24日、鈴鹿地域防災総合事務所で勤務する課長補佐級の50代男性職員が、本庁で勤務していた平成22年度から29年度までの間、不適切な事務処理を相次いで起こしていたと発表した。

県によると、男性職員は健康づくり課に勤務していた23年度、歯科技工士を目指す学生に修学資金を貸与する事務を担当したが、貸与を受ける資格がある3人に決定通知を出さず、貸与しなかった。

本来は月額3万6千円が支払われ、修学後は県内で歯科技工士として一定期間勤務すれば返還も免除されるはずだった。男性職員は22年度と24年度についても決定通知や貸与の手続きが遅れていた。

また、男性職員は医療費の助成を受けるために提出された小児慢性特定疾患や肝炎に関する医療意見書のコピーを紛失。一部は男性職員宅から見つかったが、1561人分の意見書は見つからなかった。

雇用対策課時代には、障害者の雇用対策に関連する表彰式の記念品代など約9万円を小売業者に支払わなかった。一方、表彰式の会場を借り上げるための費用など38件の約31万は私費で支払っていた。

5月に表彰式の手話通訳者から「報償費が支払われていない」と県に問い合わせがあったことをきっかけに、一連の不祥事が発覚。上司が男性職員宅を訪れたところ、ダンボール1箱分の公文書が見つかった。

また、自宅からは職員が健康づくり課時代に使っていた県のノートパソコンも見つかった。25年度から1年間の期限で同課に貸し出されていたが、男性職員は返還せずに自宅に持ち帰っていたという。

男性職員は県の聞き取りに「仕事ができない職員だと思われたくなかったので仕事を持ち帰っていた」などと説明。「修学資金の貸与を受けられなかった相手方には申し訳なく思う」と話しているという。

鈴木英敬知事は「大変申し訳なく、組織の長として責任を痛感している。度重なる不適切な事務処理で信頼を裏切る結果となった。これまでの取り組みの見直しや強化を徹底したい」とのコメントを出した。