タイ副首相、三重県知事と対談 技術研究センター提案

タイのソムキット副首相は19日、三重県志摩市阿児町神明の志摩観光ホテルで鈴木英敬知事と会談し、技術研究の拠点となる「イノベーションセンター(仮称)」の開設や高専のサテライト設置を提案した。センター開設は知事がタイを訪問する予定の11月を目指す。

ソムキット副首相は18日から2日間の日程で来県。同ホテルでは鈴木知事らと会談したほか、食品加工とエレクトロニクスの分野を中心に技術指導で協力するために県とタイ投資委員会(BOI)が内容を改定した覚書(MOU)の署名式に立ち会った。

ソムキット副首相は「タイ国内に県とタイ政府でイノベーションセンターをつくればMOUの内容をより具体化できる」と提案。「県やタイの工業省と協力してセンターを立ち上げ、インセンティブを与える。知事のタイ訪問までに開設したい」との構想を明かした。

さらに「日本の教育機関は現在、国内に集中している。企業だけでなく教育機関も海外に進出して日本の知識を広めるべき」と主張。「三重県の高専が活動するサテライトをタイ国内につくりたい。教育省の手続きを踏まないので短期間で実現できる」と語った。

鈴木知事は「大変エキサイティングな提案。タイ経済の発展につながるだけでなく、三重県内の人材育成にもつながる」と歓迎。「工業省とBOIの両方とMOUを結んでいる強みを生かせる。11月の訪問に向けて具体的な協議をスタートさせたい」と述べた。

また、知事は県産ミカンの輸出に触れ「日タイ合同検査の緩和に向けて協議を進めていると思うが、指導をお願いしたい」と要望。ソムキット副首相は「タイに戻ったら農業・協同組合担当相に伝える。県からのミカンの輸出を妨げないよう協力する」とした。

ソムキット副首相は同日午後、伊勢神宮の内宮を参拝。鈴木知事の案内で内宮をめぐった後、おはらい町を散策。老舗食堂「ゑびや」を視察し、画像を認識する人工知能(AI)による来場者の把握や食事メニューの販売予測について活用方法を尋ねていた。