殿敷さんにささげる曼荼羅図 伊勢現代美術館 彫刻家・三木さん個展 三重

故殿敷侃さんが手掛けた漂着ごみ作品の一部を使った曼陀羅図=南伊勢町五ケ所浦の伊勢現代美術館で

【度会郡】三重県南伊勢町五ケ所浦の伊勢現代美術館で、世界的彫刻家の三木俊治さん(72)=東京都=の個展が開かれ、原爆症と闘いながら文明社会に警告し続けた芸術家の殿敷侃(とのしきただし)さん(1942―1992年)が手掛けた漂着ごみ作品の一部を使った曼陀羅(まんだら)図が展示されている。8月26日まで。火、水曜日は休館。

広島市生まれの殿敷さんは自身の被爆体験に基づいた作品などを手掛けた。昭和62年にごみを大量に出す消費社会への批判を込め、山口県長門市の海岸に打ち上げられた漂着ごみを焼き固めた直径約2メートル、重さ約2トンの作品を制作。同市内で展示後、ギャラリー喫茶に保管されていた。

行列をモチーフとした作品で知られる三木さんは、平成24年に殿敷さんの作品の存在を知り、活動に共感。原発建屋をイメージしたかごの中に殿敷作品を収めて、全国を巡回するプロジェクトを実施した。

今回は殿敷さんにささげる曼陀羅図として、焼けただれたビンや缶などを作品に取り入れ、幅4・5メートル、奥行き4・2メートルの大作に仕上げた。

設計図を作り、210枚のタイルを赤や青、白、黒の4色で色付けして模様を描き込み、漂着ごみも一緒に配置。殿敷さんの活動や作品に再びスポットライトを当てた。

三木さんは「ごみを飾ることで人と自然との共存を考えるきっかけになれば」と話している。

入館料は一般700円、中高大学生500円、小学生以下無料。問い合わせは同館=電話0599(66)1138=へ。