いじめ自殺遺族を描く 「死にたい、ですか」刊行 松阪市の村上しいこさん

【村上しいこさんが書いた「死にたい、ですか」】

【松阪】松阪市曽原町の作家村上しいこさん(48)は18日、小学館からいじめ自殺遺族を題材にした小説「死にたい、ですか」(B5判276ページ、税別1500円)を刊行する。

女子高校生を主人公に、高校でのいじめに耐えられず4年前に自殺した兄の無念を晴らそうと津地方裁判所へ損害賠償請求訴訟を起こす母、アルコール依存症に陥る父の一家をつづる。裁判を取材する新聞記者や精神科医も登場。医者が記者に問う「死にたい、ですか?」からタイトルを取っている。

「いじめって、誰かのくだらない人生に巻き込まれることだよ」、「(アル中の父を)見ないふりはよくないよ。いつか君を苦しめる」などの会話が出てくる。

津市出身の村上さんは幼年期から虐待やいじめを受け、高校へ進学させてもらえず就職し、成人を機に旅館の住み込みの仲居になって家を出た。平成15年にナンセンス童話「かめきちのおまかせ自由研究」でデビューし、著作は絵本から小説まで70冊を超える。昨年は「うたうとは小さないのちひろいあげ」が野間児童文芸賞を受賞した。一般文芸は本作が初めて。

裁判を傍聴して書き上げた村上さんは「具体的なモデルはないが、どういう死にも共通していえるのが、怒りの持っていきようのないやるせなさ」「この作品のもうひとつの核に裁判がある」と解説している。