2018年7月1日(日)

▼「アマは和して勝つ。プロは勝って和す」と言ったのは、プロ野球西鉄ライオンズ(現在の埼玉西武ライオンズ)監督として日本シリーズ三連覇をするなど「知将」と言われた三原脩である。和を優先するのではなく、技量抜群の選手が集まって勝ち進むことで和ができるという意味であり、プロは勝たなければ意味がないということでもある

▼W杯ロシア大会一次リーグのポーランド戦で0―1から10分間、ボールを回すだけで得点を取りにいかなかった作戦に賛否が割れている。結果的に決勝トーナメントに進出できたのだからプロとして当然という評価があれば、フェアプレーポイントを獲得して勝ち上がったことと矛盾しないかという指摘もある

▼サッカーでは昭和43年のメキシコ五輪の日本代表と、平成24年のロンドン五輪でのなでしこジャパンがともに次試合の会場へ移動距離を考えて引き分けを狙い、特に世界チャンピオンとして臨んだ後者は物議を醸した。4月の女子アジアカップの予選リーグでは決勝進出のため同じ戦術をとった

▼なでしこが勝ち上がるたび見違えるほどチーム力が強化されていったのは確かでアジア大会では二連覇を果たした。ロシア大会の日本代表はどうか

▼長嶋茂雄元巨人軍監督は現役時代、大きめのヘルメットをかぶり、空振りしてもヘルメットを大きく飛ばしファンを魅了した。何でもないゴロもスライディングキャッチした。「プロはサービス精神が大事」と考えていたためという

▼日本トップの選手らが自陣内でボールを回している図は間が抜けて見えなくもない。