伊勢 教訓後世に安全祈願 龍宮社で大津波の犠牲者供養 三重

【キュウリなどの供え物を載せた木船を浜辺へ運ぶ神職と舞女ら=伊勢市二見町の龍宮社前で】

【伊勢】三重県伊勢市二見町江の二見興玉神社境内にある龍宮社で28日、江戸時代の大津波の犠牲者を供養し、地域の安全を祈願する神事「郷中施(ごじゅうせ)」が営まれた。

江地区は1792(寛政四)年、大津波による大被害を受けたが、村人は助け合い、村中(郷中)で施し合って復興したとされる。郷中施は、この言い伝えに由来し、教訓を後世に伝えようと、津波のあった旧暦の5月15日に毎年行われている。

神事には氏子ら約60人が参列。津波の怖さを伝える先人の教え「津波は急に来る、見るな、待つな」にちなみ、キュウリや海藻のミル、植物のマツナなどを供えた。神職らは、供え物を載せた木船を神社前の浜辺へ運び、海へ流して安全を願った。

氏子の石山清重さん(71)は「災害への心構えを新たにする機会。かつての教訓を守り、災害に備えたい」と話していた。