志摩市常任委 教育長が事業内容知らず 事業削除の声も予算凍結 三重

【志摩】三重県の志摩市教育委員会の筒井晋介教育長(65)が、本年度に市教委が行う人権教育事業について「内容を初めて知った。撤回(中止)する」と21日の市議会予算決算常任委員会で述べたことが市教委などへの取材で27日、分かった。事業予算が6月議会に上程された本年度一般会計補正予算案に含まれており、事業内容を問う坂口洋議員(共産党)の質問に答えた。教育長としての資質が問われそうだ。

問題発言のきっかけとなった人権教育事業は、県教委からの委託事業。同市志摩町内の小中学校や幼稚園に通う児童、生徒らを対象に、外部講師を招いて差別撤廃などの人権教育をする。小中学校では計8回する予定。予算は60万円で県教委が全額支出する。

21日の予算決算常任委員会では筒井教育長の発言を受け、委員から「市教委の事業を教育長が知らないとはどういうことだ。認められない」などの批判が噴出し、一時中断。再開後、筒井教育長は事業に対する理解不足を謝罪した。一部の委員は事業の削除を求めたが、市教委は事業予算の凍結で押し切った。

同補正予算案の採決では、9対9の可否同数となったが、西崎甚吾委員長が「賛成少数」と勘違いして否決。その場で異議申し立てがなかったため、否決したまま委員会を閉会した。

6月議会最終日の27日は本会議の再開を前に、筒井教育長が「予算計上のために取り組んできた職員に迷惑を掛けて反省している」と改めて謝罪。竹内千尋市長も「申し訳なく、遺憾だ」と語った。

再開した本会議では、凍結した人権教育事業を含む約3億2千万円を増額する本年度一般会計補正予算案を12対7の賛成多数で原案通り可決した。

市教委の担当者は事業の削除ではなく、凍結で押し切った理由について「9月議会に上程する補正予算案では間に合わないと判断した」と話している。早期に事業の凍結を解除するため、臨時会や市議会全員協議会の招集を検討する。

筒井教育長は平成28年12月に教育長に就任し、1期目。任期は来年3月31日まで。