2018年6月24日(日)

▼さすが県警本部長だと思ったのは鳥羽署員の交通死亡事故について難波健太本部長が県議会常任委員会で「原因を深掘りして対策を講じたい」と語ったことだ。県職員や教職員の不祥事のたび知事らが「厳正な処分」とは言うが、原因の徹底追及、解明などの言葉はついぞ聞かない

▼事故死した署員は当直明けにもかかわらず時間外勤務に就いていた。公用車の覆面パトカーを単独で運転していた。原因を深掘りしなければ効果的な対策などできないに違いないが、県の場合、原因究明をそこそこに、再発防止策を発表して幕引きを図る

▼RDF(ごみ固形燃料)貯蔵槽爆発事故で、県議会から求められた総括が人ごとみたいな内容で再提出を求められたのは周知の通り。高校越境入学問題でも、県教委は当初全容解明の調査をしないとしていた。知事の反発でもなければそのまま闇に葬られたが、その後も「これ以上は調査しない」などと繰り返した。再発防止策が「ベストではないと思う」と知事から指摘されたのは当然

▼前総務部参事兼税務企画課長の駅員暴行事件も、酔っていた、車内で大声を上げていたなどの現象面だけで、なぜ暴行にまで及んだかの解明は手つかず。仕事でのストレス、人間関係まで究明して対策を講じなければ、忘れた頃にまたやってこよう

▼鳥羽署員の死亡事故の記事は「事故原因を詳しく調べている」。前方不注意やハンドル操作の誤りなど、通常の警察署の見立てはなかった。原因は公表されるのかどうか。深掘りはしても情報は内部にとどめ、社会に還元しないのが警察組織ではある。