患者163人分のデータ紛失 伊勢病院の医師、酒に酔い 三重

【患者情報の入ったUSBメモリの紛失を受け、謝罪する藤本院長(中央)ら=伊勢市楠部町の市立伊勢総合病院で】

【伊勢】三重県の伊勢市立伊勢総合病院(同市楠部町)は22日、外科・消化器外科の40代男性医師が15日に、患者情報の入ったUSBメモリを院外に持ち出し、紛失したと発表した。男性医師は同病院の懇親会に出席後の帰宅途中にUSBメモリの入ったかばんごと紛失。酒に酔っていた。今のところ、悪用された形跡はないという。

病院によると、USBメモリには平成24年6月―先月末日までに、同病院でそけいヘルニア(脱腸)の手術をした患者163人分の個人情報が入っていた。内容は氏名や生年月日、性別に加え、疾患名や手術内容、退院日、身長、体重などという。

男性医師は12月に出席する学会での発表資料を市内の自宅で作るため、患者情報を自分のUSBメモリにコピーし、持ち帰ろうとした。患者情報の院外への持ち出しには、院長の許可が必要だが無断で持ち出した。持ち出す際は匿名化するルールも守らなかった。

男性医師は午後7時―11時すぎまで同僚の医師や看護師らと懇親会に出席。同僚らと車で駅まで送られた後、徒歩約2キロほどの距離を自宅まで歩いた。車から降りた時点ではかばんを持っていたが、翌16日の午前0時ごろに帰宅した際、かばんごとなくしたことに気付いた。

男性医師はデータを無断で持ちだしたことについて「学会に発表資料を提出する期限が迫っており、時間がなかった。認識が甘く、反省している」と話しているという。かばんは肩から胸に掛けて斜めがけするタイプ。小型で白色という。

藤本昌雄院長は22日、院内で謝罪会見を開き「多くの方々にご迷惑を掛けたことを深くおわび申し上げる」と語った。再発防止策として、院外へ患者情報を持ち出す際は個人が特定できないよう加工するほか、USBメモリは病院管理のパスワードが必要なセキリュティー機能付のものを使うよう全職員に指導する。