紀北町 芸術でまちづくり貢献 「嵐屋アートの会」活動の記録 有志が冊子作成 三重

【冊子「嵐屋アートの会 あゆみ」を作成した北村さん=紀北町長島の「貸座敷・嵐屋」で】

【北牟婁郡】三重県紀北町で芸術を通して地域活性化に取り組んできた「嵐屋アートの会」は後継者不足などを理由に3月末で休止した。これに伴い、有志らがこれまでの活動を振り返る冊子「嵐屋アートの会 あゆみ」(A4判、12ページ)を作成。同会代表の北村博司さん(77)は「これまでお世話になった方への感謝の気持ちを込めて作った」と話している。

同会は、江戸時代末期に創業し、平成16年に廃業した老舗旅館「嵐屋」を拠点に活動した。海外や県内外の芸術家や写真家らと共に、作品展やイベントを町内で開き、芸術を通してまちづくりに取り組んできた。

嵐屋は近くにあった本館と別館は解体されているが、昭和9年に建築された木造平屋建て約60平方メートルと、戦後に増築された鉄骨2階建て約60平方メートルがつながる「貸座敷・嵐屋」は残った。所有者が「町民のために建物を使ってください」と北村さんに管理を依頼したため、一部を改装し、同会が芸術家の活動拠点として使用してきた。

冊子は会の発足の経緯やこれまでの活動の取り組みを記載している。紀伊半島を旅し、嵐屋に宿泊した文豪・田山花袋の紀行文「南船北馬」の「北紀伊の海岸」の章を北村さんが現代語訳した特集もある。田山花袋が長島で出会った少年との交流の様子などを紹介している。

冊子は200部発行し、関係者に配布したほか、紀伊長島図書室などで閲覧できる。