小魚をすり身に加工 熊野漁協 値がつかなかった魚活用 三重

【魚をすり身にした「熊野すりみん」=熊野市遊木町で】

【熊野】熊野漁協(濱田徳光組合長)は、三重県熊野市遊木町の加工場で、魚のすり身「熊野すりみん」の生産に取り組んでいる。加工を担当する地域おこし協力隊の天野裕也さん(34)は「無添加で、骨がなくてやわらかい。お年寄りから子どもまで安心して食べられる」と話している。

市と熊野漁協は、漁業者の所得向上のための取り組みを数年前から議論してきた。小さい魚や大量に取れて、安かったり値が付かなかったりする魚を漁協が買い取ってすり身に加工して販売しようと、昨年4月に加工場が完成した。

熊野灘ではさまざまな魚種が水揚げされる。そのため、すり身はアジやカンパチ、シイラなど季節ごとに取れる魚を使用している。単一魚種で作り、添加物は含まない。

すり身は2日間に分けて作る。臭みと苦味を取るため、魚の頭と内臓を取り除き、冷蔵庫に入れて一晩寝かせた後、専用の製造機に入れてすり身にし、真空冷凍パックにする。

すり身は昨年10月から、市内のホテルや居酒屋、病院などに1キロと500グラムの業務用を卸売りしているほか、今年5月からは、家庭用300グラムを500円で鬼ケ城センター(同市木本町)敷地内にある直売所で販売している。

また、熊野漁協はすり身を使ったチヂミや揚げ餃子など16種類の調理法を記載したパンフレットを作製。レシピは漁協のホームページで閲覧できる。

天野さんは「今後は市内だけではなく、東紀州地域の高齢者施設などにも販売していきたい」と意欲を示し、濱田組合長(68)は「雇用を生み出せるように、更に販路を拡大していきたい」と話した。