県議会一般質問 8月までに条例指針 犯罪被害者支援で県

県議会6月定例月会議は15日、芳野正英(新政みえ、一期、四日市市選出)、小林正人(自民党県議団、三期、鈴鹿市)、濱井初男(新政みえ、二期、多気郡)、三谷哲央(新政みえ、六期、桑名市・桑名郡)の四議員が一般質問した。朝日町で中学三年の女子生徒が襲われて死亡した事件を受け、鈴木英敬知事は事件発生から五年目となる8月までに、被害者らを支援する条例の制定に向けた考え方を示す方針を明らかにした。被害者支援への理念や市町との役割分担などを盛り込む方針。

■犯罪被害救済の考えは

芳野 正英議員(新政みえ)

朝日町で平成25年8月に女子中学生が襲われた事件で、被害者の父親が犯罪被害者等支援条例の制定を求めたことに対する知事の考えを尋ねた。知事は「遺族の切実な思いに少しでも応えたい」と条例制定に前向きな姿勢を示した。

【犯罪被害者支援】

芳野議員 朝日町女子中学生致死事件の被害者の父親から手紙を受け取ったと聞くが、犯罪被害者等支援条例の制定に向けた考えや条例制定の時期は。

知事 先日、事件の被害者遺族から手紙を受け取った。遺族の今なお残る苦しみなどが切々とつづられており、条例制定など犯罪被害に対する救済策を講じてほしいという内容だった。条例は国や県、市町などさまざまな主体の役割を明確にし、計画的に取り組む上で意義がある。議会に出すにあたって、8月を目途に犯罪被害者等支援条例の方向性を示したい。

【文化プログラム】

芳野議員 茨城国体ではゲーム対戦を競技にした「eスポーツ」を文化プログラムに取り入れると発表された。三重とこわか国体でも導入してはどうか。文化プログラムの検討状況は。

村木国体・全国障害者スポーツ大会局長 文化プログラムは国体開催県の機運醸成や国体の普及をはかるために実施する。開催県で内容を決定し、開催前年度末までに日本スポーツ協会の承認を得る必要がある。検討期間を十分に確保し、適切に情報提供したい。

■精神障害者の助成拡大を

小林 正人議員(自民党県議団)

精神障害者への医療費助成の対象範囲を広げるよう提案。「県の制度よりも対象範囲の広い自治体は九都県しかない」と全国的に導入事例が少ないと主張する県に対し、「九都県『しか』ないのではなく九都県『も』ある。制度を前進させるべき」と訴えた。

【福祉医療費助成制度】

小林議員 福祉医療費助成制度の中で身体障害者と精神障害者では支援状況があまりにもかけ離れている。精神障害者の受給要件を緩和してはどうか。

福井医療保健部長 福祉医療費助成制度は障害のある人を含めた県民の医療に関わる大事な制度。基本的には制度を持続することが大切。助成対象の拡大にあたっては、制度の持続性を確保しながら給付と負担のバランスを勘案するなど、慎重に考える必要がある。

【児童虐待防止】

小林議員 鈴鹿亀山地域に児童相談所を設置するのを機に、市と協力して人材を育成してはどうか。

田中子ども・福祉部長 昨年度の虐待相談対応件数は過去最多となり、鈴鹿・亀山地域は高止まりの状況。来年4月に県鈴鹿庁舎内に新たに児童相談所を設置する準備を進めている。新たな児童相談所の相談体制はこれから検討することになるが、鈴鹿市や亀山市と意見交換し、両市の人材育成にも寄与したい。地域や警察、NPOなど関係機関との協力を強化し、新しいモデルとなるような児童相談体制の構築を目指す。

■滞在型施設の効果は

濱井 初男議員(新政みえ)
濱井議員は多気町内で計画が進められている滞在型複合施設「アクアイグニス多気(仮称)」が与える影響を尋ね、鈴木知事は「中南勢地域の雇用創出や経済活性化に寄与する」との認識を示した。

【林業大学校】
濱井議員 林業大学校「みえ森林・林業アカデミー」が来年度に開講し、今年10月にはプレオープンする。準備状況や受講生の募集に、どう取り組むのか。

岡村農林水産部長 アカデミーでは受講者が担う役割に応じて三つの育成コースを設ける。市町向けの講座や林業体験講座も設定する予定。オール三重での研修や実習を整備するため、アカデミーの運営を支援する産学官の連携組織も設ける。9月の設立に向けて、高等教育機関や市町に参加を依頼している。

【滞在型施設】
濱井議員 多気町に滞在型複合施設「アクアイグニス多気(仮称)」が二年後にオープンする。アクアイグニスについて、地方創生の観点からどう考えるか。

知事 多気町長からは「町が地域活性化の中心となり、近隣市町と連携したい」と聞き、構想実現への熱い思いを感じた。薬草温浴施設や宿泊施設、レストラン、産直市場などの大規模な集客交流施設として整備すると聞き、中南勢地域の雇用創出や経済活性化に寄与すると認識している。事業者から要請があれば、地域経済の活性化に向けた支援の検討を進める。

■国の地方創生の評価は

三谷 哲央議員(新政みえ)
三谷議員は国の地方創生に関する取り組みへの評価を尋ねた。鈴木知事は地方の人口減が続いていることや、国に採用されなかった事業があることを紹介し、「どうかなということもある」と述べた。

【地方創生】
三谷議員 地方創生関連の交付金は、ひも付き補助金に過ぎず、金額も二分の一に減った。そもそも国に言われて成功するわけはないという指摘もある。地方創生の評価は。

知事 合計特殊出生率が三年ぶりに一・五台を割り込み、社会減対策でも数値目標と大きな差が生じるなど、目指す成果が現れていない。「先進性」が過度に強調され、採用されなかった事業もある。人口減少に危機感を与えるきっかけにはなったが、良いものもあれば、どうかなということもある。

【シティプロモーション】
三谷議員 シティプロモーションという言葉が使われるようになっている。県にとってのシティプロモーションとは。

知事 県内外の方々に三重の魅力を発信し、選ばれる三重となるよう目指す営業活動や地方創生に関する取り組みの総称が、県としてのシティープロモーションだと考えている。知事就任前から「こんなし素晴らしい場所に暮らしている幸福を十分に実感できていないのでは」と考えていたことも、出馬を決めた動機の一つだった。