三重県職員、駅員暴行の疑い 愛知県警が逮捕 知事が陳謝

【幹部職員の逮捕を受けて陳謝する鈴木知事=三重県庁で】

駅員に暴力を振るったとして、三重県総務部参事兼税務企画課長伊藤幸男容疑者(59)=桑名市中山町=が12日、暴行容疑で愛知県警に現行犯逮捕された。先月には、熊野農林事務所農政室の男性室長(56)が交際相手の顔などを殴ったとして逮捕されたばかり。職員への懲戒処分も相次ぐ中、鈴木英敬知事は13日のぶら下がり会見で「心からおわびを申し上げる」と、頭を下げて陳謝した。

愛知県警によると、伊藤容疑者は12日午後9時15分ごろ、近鉄名古屋駅のホームで、男性駅員(49)の首をつかんで絞め、別の男性駅員(51)の頭をたたくなどの暴行を加えた疑いで現行犯逮捕された。伊藤容疑者は当時、酒に酔っていたという。

「車内で大声を上げている人がいる」との知らせを受けた駅員らが伊藤容疑者をホームに誘導し、なだめていたという。伊藤容疑者は「そんなことはしていない」と容疑を否認している。逮捕当日の夜は、津市内であった県職員らの懇親会に出席していた。

県によると、伊藤容疑者は昭和55年4月に採用され、鈴鹿県税事務所長や紀州県税事務所長などを歴任。昨年4月に税収確保課長から税務企画課に異動した際、課長級から次長級に昇進した。県税に関する事務の全般を統括する立場という。

鈴木知事はぶら下がり会見で、職員の逮捕について問われると「まずは県民との信頼をベースとして職務をしている県職員が先月に続いて逮捕されたことを申し訳なく思う。心からおわびを申し上げる」と述べ、約5秒間にわたって深々と頭を下げた。

「決してあってはならないこと。捜査の状況を見守り、事実が判明次第、厳正に処分する」と説明。「私たちの仕事は県民の税金で成り立っている。税務を統括する者が不祥事を起こして逮捕に至ったことは大いに反省し、申し訳なく思う」と述べた。

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県では女性ら五人にセクハラをした児童相談センターの男性技師(35)が懲戒免職処分となった。先月には、熊野農林事務所農政室の男性室長(56)が交際相手の女性の顔などを殴ったとして、松阪署に逮捕されたばかりだ。

これまでの不祥事や逮捕事案は地域事務所などの職員が多かったが、伊藤容疑者は本庁の職員。勤務する3階は、知事室や総務部などが入る「県の中枢」だ。先月は自動車税の納付期限だっただけに、納税者としての県民からの批判は避けられそうにない。

「まさか、伊藤さんがそんなことをするとは」「日頃の勤務態度に特段の問題はなかった」。これまでの不祥事と同様、庁内からは職員の逮捕に驚きの声が上がった。「税の滞納整理では目を見張る成果があった」と業務を評価する声さえ聞かれた。

職員の逮捕を受け、上司が13日に名古屋駅で被害者や駅長に謝罪した後、拘留中の中村署を訪れた。総務部は同日夕、緊急の幹部会議を開いて再発防止策を検討。人事課の担当者は「あれだけ不祥事を起こさないよう言っていたのに」と肩を落とした。