津 日本東洋医学会の最高位 金子医師が学術賞 三重

【日本東洋医学会で学術賞を受賞した金子氏=津市西丸之内の金子医院で】

【津】三重県津市西丸之内の漢方専門医、金子幸夫氏(70)が、日本東洋医学会の最高位の賞、第30回学術賞に選ばれた。平成14年の奨励賞に続き今回も県内で初となる快挙。9日に大阪市で開催される同学会の第69回学術総会で受賞式と受賞講演に臨む。

同賞は、東洋医学の優れた研究・著書を3年以内に執筆した著者を対象に推薦、選考する。

金子氏は、昨年出版した「傷寒論輯義解説」「金匱要略輯義解説」において、江戸時代の医師、多紀元簡が後漢時代の名医・張仲景の「傷寒論」「金匱要略」を解説した著書を、原文▽書き下し文▽語釈▽現代語訳▽解説―に分けてまとめた功績が高く評価された。

同賞の選考は厳しく、これまでに「該当者なし」の年が8回ある。金子氏の著書を「この本さえ読めば他は読まなくていい」と評価する研究者もいるという。

金子氏は玉城町出身。三重県立大学(現在の三重大学)を卒業後、内科医としてがんを研究。40才の時、娘のぜんそくに漢方薬を投与したところ劇的な効果があり、以来独学で中国の書物から知識を深めた。平成4年に漢方専門の医院を開設し、県内外から訪れる患者の診療に当たっている。

金子氏は30年前を振り返り「こんなにすごい医学がある。もう少し学んだらもっと上手になるのではと思い、ここまで来た」と話す。

学会最高賞の受賞に「一人でここまで来られたのではない。目をかけてくれた先生がいたからこそ」と先達に感謝し「漢方は一生勉強。今後も学び、次の世代を担う先生方を育てていきたい」と力を込めた。