
【亀山】三重県立亀山高校(上野修弘校長)は4日、亀山市本町一丁目の同校体育館で、全校生徒748人を対象に被害者遺族による「命の大切さを学ぶ教室」を開いた。
同教室は、交通事故で亡くなった被害者遺族による講演を聞き、命の大切さを考え、交通ルールを本質から考えるのが狙い。みえ犯罪被害者総合支援センター顧問で「いのちの言葉プロジェクト」代表の鷲見三重子さん(64)=員弁郡東員町=が講師を務めた。
鷲見さんは、平成9年に当時高校2年生の長男を交通事故で亡くした。その後事故の悲惨さと命の大切さを県内各地に出向き語り伝えている。
講演では、亡くなった時の状況や、家族の実態など当時を振り返り、「頭では分かっていても、毎日夕方になると息子が帰って来るんじゃないかと玄関を見続けていた」と話し、「いのちの大切さを広める活動が自分の使命。社会のルールを守り、自分の命も他人の命も大切にし、多くの人の支えでいまの自分があることを知ってほしい」と促した。
2年生の田中優衣さん(16)は「ルールを守る大切さが命を守るんですね」と話していた。