
先月29日に三重県いなべ市の山林で誤って捕獲されたツキノワグマの成獣について、三重県は3日、岐阜県高山市の奥飛騨クマ牧場へ搬送したと発表した。いなべ市の山林で適切な放獣先が見つからなかったための暫定的な措置で、半年以内には市内の山林に放つ予定。
県によると、熊は全長1メートル40センチ、体重94キロの大型の成獣。地元の猟師が市内の山林に仕掛けたイノシシ用のわなに掛かって捕獲された。市や地元自治会が放獣場所を探したが、適切な候補地が見つからなかった。
県ツキノワグマ出没等マニュアルでは、原則として捕獲した自治体内で集落から2キロ以上離れた場所に放獣する。ただ、このまま放獣先が決まらず、熊を長期間おりに入れたままにすると衰弱する恐れがあるため、県が奥飛騨クマ牧場に受け入れを依頼した。
牧場は熊の動物園で、ツキノワグマとヒグマを計百頭ほど飼育しているという。