島根の「郷土教育」参考に 伊勢市総合計画、審議会が市長に答申 三重

【鈴木市長(手前)に答申を手渡す新田会長=伊勢市役所で】

【伊勢】三重県伊勢市総合計画の教育分野の記述を巡り、市教育委員会と市総合計画審議会が対立している問題で、審議会の新田均会長らが1日、市役所を訪れ、鈴木健一市長に総合計画への審議会の意見書「答申」を提出した。郷土教育の充実を図るため、出雲の神話をまとめた「ふるさと読本」を各小中学校などに配布している島根県教育委員会の事例を参考にするよう求めた。

新田会長は、島根県教委が神話を通じて古里への理解を深める目的で作成したふるさと読本「いずも神話」を紹介。50ページの学習教材で「イザナキノミコトの黄泉の国訪問」や「スサノオノミコトのヤマタノオロチ退治」、地名の由来を説明する神話など、5つの出雲神話をまとめている。

その上で、新田会長は「大人が読んでもおもしろい教材。伊勢市教委でも作ってほしい」と話した。また、出雲市がホームページ(HP)で出雲大社の歴史や本殿の造りなどを詳しく紹介していることに触れ「伊勢市は伊勢神宮の行事紹介だけ。もう少し充実させてほしい」と述べた。

市PTA連合会顧問の美濃松謙委員は、市が年1回実施する市民アンケートに「郷土教育」と「神宮に関する教育」の項目を追加し、年齢や男女別で伊勢神宮に対する市民の関心を調査することを鈴木市長に求めた。

鈴木市長は「伊勢の成り立ちを知る上で神宮の記述を充実させるのはいいこと。ふるさと読本の話は伊勢市でも参考にしたい。HPやアンケートの話も検討したい」と語った。

市総合計画は市政運営の基本方針を示す本年度から4年間の計画で教育や医療、防災などの全8章で構成。教育分野では、伊勢神宮や郷土愛の重要性を巡って市教委と審議会が対立した経緯がある。

市が両論併記の形で実施した総合計画案への意見公募では、寄せられた意見の56%が審議会案を支持。だが、市教委は「多数決で決めるわけではない」として審議会案を退けた。

鈴木市長は6月議会までに審議会案と市教委案のどちらを採用するか判断し、市議会に総合計画案を提出する。