学校で郷土や神宮学ぶ必要あるか 伊勢市総合計画審議会 市民アンケート要望 三重

【市長への答申案について意見を述べる伊勢市総合計画審議会の委員ら=同市岩渕1丁目で】

【伊勢】三重県伊勢市の総合計画審議会が21日、同市岩渕のシンフォニアテクノロジー響ホール伊勢であり、鈴木健一市長に提出する答申案の概要がまとまった。教育分野の記述を巡り、市教育委員会と審議会が対立していることを受け、学校教育で郷土や伊勢神宮について学ぶ必要があるかを市民に問うアンケートの実施要望などを盛り込んだ。審議会は6月1日、鈴木市長に答申案を提出する。

市総合計画の教育分野の記述を巡っては、伝統文化の保存継承の対象として「伊勢神宮関係の行事など」と具体化することなどを求めた審議会に対し、市教委が「伊勢神宮に特化する必要はない」として、計画案では削除した経緯がある。

市教委と審議会の意見が折り合わなかったため、市は両案を併記する異例の形で4月2日から1カ月間、意見公募を実施し、過去2番目に多い108件の意見が寄せられた。争点となった教育分野に関する意見が84件を占め、内訳としては全体の56%が審議会案を支持する意見だった。

ただ、市教委は「多数決で決めるわけではない」として審議会案を総合計画に反映させない考えを示した。このため、審議会は答申案にこれまでの議論の経緯や意見公募の結果などを盛り込み、鈴木市長に審議会案を総合計画に反映させるよう求める。

また、審議会は年齢や性別などの違いで郷土教育や伊勢神宮に対する考え方に違いがあるかを調べるため「アンケートで(改めて)正確な市民意識を調べるべき」と主張している。

この日は委員ら約20人が出席。県南勢志摩地域活性化局長の福井夏美副会長が「アンケートは予算がかかる」と疑問を呈したのに対し、市PTA連合会顧問の美濃松謙委員は「何億円かかってもやるべき」と語った。市によると、アンケートの実施費用は約100万円という。

総合計画は市政運営の基本方針を示す本年度から4年間の計画で、教育や医療、防災などの全8章で構成。答申案は計画案とは別に、審議会が市長に提出する審議会の意見書になる。