偽装請負で元教師が提訴 アメリカ人のウェインさん メリノールなど相手に 三重

【代理人弁護士とともに会見するウェインさん(右)=津市の三重弁護士会館で】

業務請負契約をうたいながら実態は労働者派遣契約である「偽装請負」だったとして、四日市メリノール学院(三重県四日市市平尾町)に勤務していたアメリカ人の元英語教師、マックスブルーム・ミッチェル・ウェインさん(39)=四日市市=が、同学院と仲介業者のグローバルパートナーズ(以下GP社、東京都中野区)に約1090万円の損害賠償を求める訴えを津地裁に起こした。昨年11月に同地裁に労働審判を申し立てたが、被告側が3月までに審判への異議を申し立てたため、民事裁判へと移行する。

訴えによると、ウェインさんは平成27年3月、GP社を通じて同学院の高校と中学で個人事業主の立場で英語教師として勤務する業務請負契約を締結。しかし、実際には同学院での裁量権を与えられず、授業計画や勤務時間など同校の定めに従う必要があり、遅刻や早退などに基づく減給処分も規定されていた。こうした事実が契約時の説明にはなかったとしている。

契約上は業務請負だったため、源泉徴収額が増額。一方、四日市税務署は労働者派遣契約と認定し、必要経費の控除を認めず、源泉徴収の還付も認めなかった。また、立場上は個人事業主となるため、在留資格の変更を余儀なくされ、有効期間が3年から1年に短縮されたことで再就職が困難となった。現在は月収10万円のパート講師として生活し、医師からは不安神経症やパニック障害の診断を受けたという。

またGP社は当初、契約2年目から同学院と正規職員としての直接雇用契約を結ぶことができると主張していたが、後から同社が契約違反を主張し、約束をほごにされたとしている。

津地裁は2月21日付で、同学院とGP社が50万円の支払い義務を負うと審判。GP社は2月24日、同学院は3月1日付で異議を申し立てた。

ウェインさんは20日、津市中央の三重弁護士会館で代理人弁護士とともに会見を開き、「正義が欲しい。不安やプレッシャー、心理的圧迫に対する賠償を求めたい」と訴えた。

同学院の代理人は「訴状を見ていないのでコメントできない」と話した。GP社は「事実でないことをでっち上げており、事実認定に相違がある。裁判で判断してもらう」とコメントした。