松浦武四郎生誕200年イベント アイヌ舞踊で幕開け 三重

【ムックリの演奏で開幕した松浦武四郎生誕200年記念事業=松阪市川井町の農業屋コミュニティ文化センターで】

【松阪】北海道の名付け親として知られる松阪市出身の探検家、松浦武四郎(1818―1888年)の生誕200年記念事業オープニングイベントが24日、三重県松阪市川井町の農業屋コミュニティ文化センターであり、静内(しずない)民族文化保存会(北海道)のアイヌ古式舞踊で幕が開けた。記念事業を1年間繰り広げる。

同事業実行委員会の小林壽一委員長は「武四郎は驚異的な行動力があり、克明な記録が残されている。アイヌとの共生を訴えるヒューマニストとして魅力が尽きない。功績をたたえ継承していきたい」と開会を宣言。

竹上真人市長は「さらにさらに全国に発信していきたい」と述べ、鈴木英敬知事は「9月15日からみえむで企画展『幕末維新を生きた旅の巨人 松浦武四郎』を2カ月間開催する」とPRした。

北海道からは窪田毅副知事や北海道アイヌ協会の加藤忠理事長らが出席。加藤理事長は平成20年に国会で可決された「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」を取り上げ、「武四郎は幕府への復命書で明日の開拓は結構だが、今日のアイヌの命を救ってください、滅びてしまうと訴えている。国会議員に伝え、決議の可決に大きく役立った。発禁になった『近世蝦夷人物誌』が残され、アイヌが先住民族である論拠となる貴重な記録になっている。本当に胸を打つ」と語り、「アイヌ民族として心からありがたく感謝申し上げたい。武四郎の願いがようやく実り始めたと感じている。一人のひたむきな誠実さと良心で向き合う心が、人の心を動かし、普遍性につながる」とたたえた。

同保存会は国の重要無形民俗文化財に指定されているアイヌ古式舞踊を披露。ムックリ(口琴)の音色を響かせ、鶴の舞を舞った。劇団松阪ドラマシティは武四郎が主人公の劇「時を越えた奇跡の旅人」を上演した。

記念事業として、生誕200年記念講座が3月から毎月第2日曜日、同市小野江町の松浦武四郎記念館で1年間開講する。10月には武四郎シンポジウムin東京と武四郎フォーラムin松阪がある。武四郎展は県総合博物館と北海道博物館(6月)、道立帯広美術館(12月)を巡回する。