ジュゴン保全へ研究報告 鳥羽で国際シンポ開幕 豪州・ジェームズクック大のマーシュ特別教授が講演 三重

【ジュゴンの現状と将来に向けての研究結果を報告するマーシュ特別教授=鳥羽市の鳥羽国際ホテルで】

【鳥羽】三重県鳥羽市鳥羽1丁目の鳥羽国際ホテルで22日、ジュゴンに関する国際シンポジウム(鳥羽水族館主催)が2日間の日程で始まり、7カ国のジュゴン研究者ら約100人が出席した。初日はオーストラリアのジェームズクック大学環境科学部のヘレン・マーシュ特別教授が「世界におけるジュゴンの現状と未来」と題して基調講演し、「100年後には絶滅の恐れもある」と指摘した。

シンポジウムは、ジュゴンのセレナ(雌・推定31歳)の来館30周年事業。飼育下のジュゴンは世界に3頭しかおらず、鳥羽水族館は国内で唯一飼育している。水族館によると、ジュゴンは国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種に指定されているという。

マーシュ特別教授は、野生のジュゴンが少なくとも世界40カ国で生息していることを紹介。平均年齢は22―25歳で、70年以上生きる例もあるという。一方、環境汚染や違法狩猟などで生息数は減少傾向にあり「アフリカ東海岸では絶命した地域もある」と語った。

ただ、ジュゴンの主食とされる海草が豊富なオーストラリア北端のトレス海峡には、平成25年の調査時点で約10万2500頭が生息していたことを紹介。現在も世界最多とされ「4000年以上前から先住民族が狩猟を続けており、近年は年間千頭ほどを捕獲している」と話した。

マーシュ特別教授はジュゴンの未来について、食の安定確保を課題に挙げ、種の保全に向けての努力がなければ「絶滅の恐れもある」と警鐘を鳴らし、講演を締めくくった。

23日は、鳥羽水族館の元館長・古田正美氏がセレナについての研究内容を報告する。