2018年2月22日(木)

▼県の新年度予算発表というと、リポートのテーマ探しに苦労した現役時代を思い出す。無味乾燥な発表を、県民の身近な問題として伝えたい思いがあったからだ

▼県教委の一部新規事業「みえ子どもの元気アップ運動部活動充実事業約1千万円」に首をひねったのは、そんな習慣からか。「教員の負担軽減を図るため」「外部指導者の派遣や、指導者の指導力向上を図るため」「運動部活動の充実につなげる」などの一石三鳥の〝うまい話〟を仕上げる能力が、県教委にあるかどうか

▼越境入学でルール破りした教員について「県教委は実績を上げることを頼んできて、処分などできるのか」みたいな校長のコメントが報じられていた。十年前の高校生就職支援員「キャリアコーディネーター」事業では、支援員が女子高生監禁事件を起こした

▼男は、女子生徒の電話番号を個人的に聞き出すなどしていた。県教委が外部指導員を教育現場に入れるに際し教訓は生かされているか。基準とする「部活動ガイドライン」に「スクールセクハラ」の記述はない

▼「体罰」があるのは運動部に付きものだからだが、体罰はわいせつ行為とも同一と見るのが専門家の常識。性暴力救援センターを運営する加藤治子医師は「保育士、学童指導員、教師、近所の知り合いからの性被害が実に多い」

▼「教育者がなぜ」と言うのは教育関係者だけで「学校だから起こる」というのが専門家。教育現場には「学内での性暴力にどう対応するかのマニュアルがない」と加藤さん

▼県も、教師のわいせつ行為が不祥事の定番。首をひねりたくもなる。