伊賀市の土地賃借問題 固定資産税評価額の5倍 百条委、中岡市議喚問で合意 三重

【職員(左奥)に契約の経緯などを聞き取る委員ら=伊賀市役所で】

三重県伊賀市の近鉄伊賀神戸駅周辺で市が借りている土地の賃料が「高い」との指摘を受けている問題で、市は1日の百条委員会(岩田佐俊委員長、8人)に土地の固定資産税評価額を示した。市が賃料の根拠としていた土地の評価額は、固定資産税評価額の約5倍に当たることが判明。委員から「実勢価格とはかけ離れている」との批判が上がった。また、百条委は親族が契約先の役員を務めていた中岡久徳市議を証人喚問することで合意。渦中の人物から契約の経緯などを聞き取り、調査を加速させたい考えだ。

特別委は市の契約金額が適切だったかを調べるため、固定資産税評価額を記した書類を提出するよう市に要求していた。市はこの日、固定資産税評価額を「個人情報に当たる」とし、委員だけに配布した。

委員らの発言から、市が賃借する土地の固定資産税評価額は1平方メートル当たり平均6千―7千円程度。委員らはこの評価額を元に、契約先の会社が2千万円程度で土地を購入したとみている。

一方、市は土地の評価額を「1平方メートル当たり3万6100円」として賃料を算出していた。この評価額に基づくと、市が借りている土地は全体で1億円以上に上り、委員らが想定する土地の金額を大幅に上回る。

また、市議会から月額36万円の賃料の高さを指摘された市は昨年11月、この土地の鑑定を県内の不動産鑑定士に依頼した。結果は「1平方メートル当たり3万8800円」となり、当初の評価額を上回っている。

市は賃料の積算根拠について、平成23年に周辺の道路を拡幅するために購入した土地の不動産鑑定評価額を流用したと説明。「適正な評価額に規定の計算式を当てはめて賃料を算出した」としている。

これに対し、ある委員は「不動産鑑定士に依頼したとしても、依頼の方法によっては市に一定の裁量がある」と指摘。「購入と賃貸では話が別。あまりに高すぎる評価額には納得できない」と話す。

この日は、土地の農地転用に関わった農業委員会の服部智秀事務局長▽元都市計画課長の瀧川司篤下水道工務課長▽福田康彦産業集積開発課長▽山本幸一郎秘書課長―の4氏が委員らの聞き取りを受けた。

山本秘書課長は28年6月、「伊賀神戸駅周辺の交通緩和策を進めるように」とする岡本栄市長の意向を産業振興部に伝えたと説明。「市長が市内に立地する企業から要望を受けたので伝えた」と説明した。

委員らは中岡氏に加え、契約先のNRKエナジーと同社に土地を売却した丸中産業、前副市長の辻上浩司・県子ども家庭局少子化対策課長を証人喚問することで合意した。次回は2月中旬にも開かれる見通し。